プチ・シニアの明るいひきこもり生活

オヤジのためのお伽話 「スペース・カウボーイ Space Cowboys 」

      2016/10/23




I can’t fill up a space shuttle with geriatrics!
「スペース・シャトルの中に老人病を蔓延させるわけにはいかない。」


これはオヤジのためのお伽話である。

最初に、断っておくと、私は巷に溢れているいわゆる「地球滅亡の危機」もの映画が好きではない。たいてい、非常に都合の良いストーリー展開安易な感動的結末かっこ良くて運が良すぎるヒーロー、と、映画の品格を下げてしまう要素満点だからだ。

 で、この「スペース・カウボーイ Space Cowboys」(原題の英語は “Cowboys”, 内容的に当然だけど)、実は、さっきあげた要素がやはりすべて備わっている。なのに、私はこの映画が大好きだ。

というのは、

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 クリント・イーストウッド監督・主演だからだ。まぁ、好きなのだからしかたがない。

そして、

 他の”カウボーイ” たちも、そうそうたる俳優陣である。トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、故ジェームズ・ガーナー。みんな、相当クセのあるオヤジである。みんな素敵だ。

そして、これはオヤジの夢についての話だからだ、

I have never met a kid who didn’t dream of being an astronaut when he grew up.
「大人になったら宇宙飛行士になるんだって夢見なかった子供にはあったことないわ。」


 サラがホーク(トミー・リー・ジョーンズ)に言うセリフである。そのとおりである。「プロ野球選手」になる、という夢の何倍もスケールの大きい夢だ。大きすぎて想像もできないほどだ。それを、オヤジたちが(オヤジ、オヤジって書いてきたけど、ほぼ老人といってもいい・・)かなえるストーリーだ。
 そして、アメリが人の大好きな(アメリカ人に限らないか?)一種の復讐譚でもある。若いころのチャンスを無駄にしているからだ。

 だから、見ていてすっきりする。「地球滅亡の危機」ものの最大の魅力、カタルシスも倍加されている、とオヤジの私は思う。

 ちなみに、さっきのセリフに対してホークはこう答える。

Did you ever meet a kid who didn’t grow up?
「じゃぁ、大人になれなかった子供にはあったことあるかい?」


 そう、彼らは、特にフランク(クリント・イーストウッド)とホーク、オヤジになっても子供なのだ。安っぽいい言い方になるけれど、やはりいくつになっても「少年」を持ち続けたほうがみりょくてきなんだなぁ、男は。

 さて、4人の中で私が一番好きなのは、ドナルド・サザーランド演じるジェリーだ。

 4人がシャワー室で裸でいる時、突然サラが入ってきた時、他の3人は慌ててタオルで股間を隠すけれど、ジェリーだけはそのまま隠さずニヤニヤしている。オヤジの鏡だ。私もそういうオヤジになりたい。

 こんなセリフがある。サラがジェリーにニックネームはないのかと聞く場面だ。

“You can call me,”
[kisses her hand]
“Anytime”.


 ご存知のように、“You can call me 〜”で「〜と呼んでくれ」と言う決まり文句なので、この後にはニックネームがくるとと誰もが思うわけだけれど、そこで最後に”Anytime” と持ってくることで、「いつでも電話して。」とナンパの文句に変えているわけだ。(字幕ではなんと訳したんだろう・・・)

 しつこいけれど、私もそういうオヤジになりたい。

 最後に、英語の初めのほうでフランクが言うセリフを。

“Clock’s ticking, Bob. And I’m only getting older.”
「もう残された時間はないんだ。それなのに、ただ年を取っていくだけなんだ。」

悲しいかな、そのとおりなのだ。50を過ぎたら、ほんとにそう思う。映画はそう共感させてから、オヤジのお伽話へと突き進んでゆく。

林真理子に「夢見る頃を過ぎても」というタイトルのエッセイがあったけれど、「夢見る頃」は決して過ぎてはいかないんじゃないかなって、この映画を見て思ったりする。金井美恵子に「夜になっても遊びつづけろ」というタイトルの本があった。いくつになっても「遊び続ける」ことはできるのかもな、と思ったりもした。


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 - 遅れてきた映画鑑賞 ,

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