プチ・シニアの明るいひきこもり生活

オヤジひとり、ベトナム旅日記(7)

      2015/08/31

(注:この文章は初めてベトナムに行った2006年の旅の記録です。ベトナムは急速に発展しているので、当時とはかなり大きく違っています。特に、物価等は大幅に変わっていますので、そのあたり考慮の上お読み下さい。)

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 電車は、ダ・ナンに着いた。12時30分。ほぼ時刻通りだ。しかし、ダナンは目的地ではない。少し離れたホイアンという町に向かうつもりだ。

 改札を抜けて表に出ると、例によってタクシーの運転手に迎えられる。日本人のカップルが「何で行くんですか?」と聞く。
「たしか、バスもあるらしいけど、2,3キロは歩かないといけないみたいだよね。」
 日が厳しく照りつけていてる。歩くのはキツいかな?と思う。2人がタクシーの運転手と交渉を続け、「3人だとタクシーでも1人400円くらいですね、一緒にどうですか?」と誘ってくれる。「いいですよ。」

 若者の好意を受け入れることにした。彼らも何度も旅をしているらしく、日本人だからって必要以上に深くは関わらない、という節度はもっている。お互いにまだ名前も知らないし、おそらく知らぬまま別れることになるだろう。

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 小型のタクシーに乗り込んで、40分ほどでホイアン着いた。まず彼らがネットで予約したホテルを探す。少し中心からは離れた場所だった。彼らの分のお金を預かり、またタクシーに戻り、町の中心のホテルに連れて行くように頼む。窓を開け、カップルに最後の挨拶をする。「よい旅を!」 女の子の方が心配そうな表情を見せた気がした。こんなオヤジの一人旅を心配してくれたのだろうか?

 二軒ホテルを回ったが、ともに空きがなかった。三軒目のホテルにやっと空きがあった。タクシーを待たせたまま、シングルの部屋があるかどうか、聞いた。珍しくこのホテルのスタッフはアオザイではない。

「ありますよ。」
「とりあえず2泊したいんだけど、いくら?」
「いくら位の部屋がご希望ですか?」

 こっちの希望額を言うとそれに合わせて値段を変えてくる場合もないわけじゃない。

「いや、こっちが聞いているんだよ、値段を聞いてから考えるよ」
「10$と18$があります。」
「部屋は見られる?」
「10$はまだ使っていて無理ですが、18$なら見られます。見ますか?」

 高いほうを見せるのは常套手段だ。私は頷くと彼女の後に続いて階段を登った。階段の横には10メートルくらいの小さなプールがあった。
部屋は、きれいで18ドルならリーゾナブルだと思った。10ドルを見る必要はないだろう。
「ここに泊まることにするよ。」
フロントに戻る途中で、彼女がどこから来たのか、聞いた。
日本、と答えると、少し驚いて言った。

「あなたは日本人ぽくない。英語もそうだし、態度も・・。」
そうかもしれない、とだけ答えた。
ただ単にちょっと旅慣れているだけかも知れない、と思ったが口には出さなかった。

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 手続きをする前に、タクシーにもどり、ここに決めたから、とお金を払おうとする。180,000ドンの約束だ。ホテル探しにつき合って貰ったので、チップを足して200,000ドンを渡そうとすると、運転手は不可解な顔をする。
 「それじゃ、足らない。ひとり180,000ドンのはずだ。」

 やはり、そうきたか、と思うと同時に、がっかりもした。バイクタクシーに乗っても、シクロに乗っても、降りる時にふっかけてくるかも知れない、という気持ちは必ずどこかにあった。でも、これまではそんなことを言い出す奴はいなかった。

 「絶対に180,000ドンのはずだ。なんなら、さっきの2人のホテルに戻って確認しよう。ただし、このチップは、なしだ。」
 運転手は不機嫌そうにそのお金を受け取り帰っていった。確かに交渉で成立した値段だったが、実はメーターは220,000ドンを指していたので、彼としては不満だったろう。しかし、3倍は欲張りすぎだろう。

 フロントにもどり、受付の女の子にやれやれ、と言う表情をしたら、彼女も頷くように笑っていた。(続く)

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