空港を間違えた話
2015/08/25
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間抜けな話。
初めてニューヨークに行った時、Northwest 航空で行った。ニューヨークだけで良かったのだが、アメリカ国内線が1往復無料で付くというので、迷った末にニュー・オーリンズに行くことにした。1周間ニューヨークで過ごした後に移動することにした。
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移動の当日、バスで早めに空港に向かった。今「空港」と書いたけれど、実はニューヨークには3つ空港がある。JFK(ジョン・F・ケネディ空港)とニューアーク空港とラガーディア空港だ。当時、JFKともう一つ、2つしかないと思っていた。今考えると間抜けなんだけど。で、JFKは国際線だから、もう一つの方へいけばいいだろうと思っていた。行った空港がニューアーク空港なのかラガーディア空港なのか、今は失念してしまったのだが、とにかく「間違った方」へ行ってしまったのだ。
チェック・インしようとしたら、この空港じゃない、と言われた(!)。意外にも私は冷静で、「どうせ、おまけのチケットだから、別にいいや」、このままニューヨークで過ごそうと思い、帰ろうとした。すると、受付の男性が声をかけてきた。
「ちょっと、待ってろ」
「何?」
「いいから、そこでちょっと待ってろ」
私はわけも分からずそこに立って待った。
計画のない旅は、こういう時いい。ニューオーリンズに行けなくても特に実害はない。ホテルも現地に着いてからとろうと思っていたし、また、もとのホテルに戻って、ニューヨークを満喫すればいいだけだ。
そんなことを考えていたら、さっきの受付の男がやってきて言った。
「外に車が用意してあるので、それに乗れ。まだ、なんとか間に合う」
え、うそ?、そう思ったけれど、外に出てみると、黒塗りの小さめなリムジン(!)が待機していて、横に制服きた運転手が立っていた。
運転手は、「荷物は?」と尋ねたけれど、肩にかけたバッグを指して「これだけ」と答えた。運転手は呆れたようトランクを閉めた。
車に乗り込んでしばらくしてから、思い切って運転手に聞いてみた。
「これって、フリーだよね?」
「そう、でも、チップは別。」
正直な運転手だった。値段が分からないので、チップがいくらになるかも分からなかったけど、とりあえずちょっと多めに出しておいた。こんな車、自腹じゃ乗る機会はめったにないだろうから。
結局、ニュー・オーリンズ行きの便には間に合った。
そういえば、マンハッタンを走っている時に、偶然前の晩にバーで出会った青年が自転車に乗っているのを見かけた。彼は、アジア系で、気前よく私にビールを奢ってくれたのだ。彼もとてもリッチそうには見えなかったので、こんな豪華車に乗っているところ見られたちょっと嫌だな、と思った。もちろん、そんな心配はなかった。窓ガラスは当然スモークが貼ってあったからだ。
この一件があってから、Northwest 航空には頭があがらない。その後何度か利用しているけど、その度に、この一件を思い出す。その時々、サービスへの不満が多少あっても、我慢することにしている。
ヒッチコック、大好きです。この作品は、彼のなかではもっともスペクタクルでスリリングな作品です。個人的には、「裏窓」とか「ダイヤルMを回せ」とかほぼ室内のドラマが好きですけど。
タイトルの原題は “North by Northwest” で、ノースウエスト航空が絡んでいるのではないかと思います。
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