プチ・シニアの明るいひきこもり生活

メディアの不調が伝えられる今こそもう一度見たい、カッコよさばかりが目立つ「大統領の陰謀」

      2016/01/31

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 久しぶりに見た。

 いや、カッコイイ。ジャーナリズムとはこれほどにもカッコイイ。物語もカッコイイし、登場人物もカッコイイし、かなり多くの時間が映る雑然とした編集部の風景でさえもカッコイイ。

 逆に、どこかの国の話だが、政権に呼び出されてのこのこ出て行くのもかっこ悪いし、その後すぐに内部の処分を発表して政権の顔色を伺うのもかっこ悪い。ジャーナリストとしてはかっこ悪い。

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 エンディングで、ワシントン・ポスト主幹のブラッドリーがこう言う。長いけど、涙がでるほどカッコイイので引用する。

You know the results of the latest Gallup Poll? Half the country never even heard of the word Watergate. Nobody gives a shit. You guys are probably pretty tired, right? Well, you should be. Go on home, get a nice hot bath. Rest up… 15 minutes. Then get your asses back in gear. We’re under a lot of pressure, you know, and you put us there. Nothing’s riding on this except the, uh, first amendment to the Constitution, freedom of the press, and maybe the future of the country. Not that any of that matters, but if you guys fuck up again, I’m going to get mad. Goodnight.

「最新の世論調査の結果を知っているか?この国の半数はウォーターゲートって言葉を聞いたことがないんだ。誰も気にしちゃいない。
お前たち、疲れたろう。帰って、熱い風呂につかって、よく休め・・・・、15分間だ。そうしたら、またエンジンを全開にするんだ。俺達はものすごい圧力を受けている。お前達ががそうしたんだ。言論の自由、出版の自由、そして、この国の未来、これだけが大事なんだ、ほかは大したことじゃない。ただし、またヘマをしたら、ただじゃ置かない。分かったら、早く休め。」


 ホントに日本のジャーナリストも「この国の未来」を考えて報道をして欲しいなぁ、と思う。

 この後に続く、最後の最後のシーンもカッコイイ。

 編集部に置いてあるテレビでニクソンの再任セレモニーが映る中、ひたすらタイプを続けるウッドワード(ロバートレッド・フォード)とバーンスタイン(ダスティン・ホフマン)。

 そうなのだ、この映画はスリリングだけれど、実はそれは、電話をかけたり、インタビューしたり、メモをとったりと、タイプしたり、実に平凡でシンプルな作業の積み重ねが描かれているだけだ。やっていることのほとんどは派手ではない。

 つまり、巨大な悪や権力に立ち向かうという一点が、そのジャーナリストの活動をスリリングでかっこ良く見せるのだと思う。この映画を見ていると本当にそう思う。

 だから、権力側から「夕食会に呼ばれた」というようなことが勲章だったりするジャーナリストが(いるらしいけど)ダサく見えるのは当たり前の話なんだと思う。

(ちょうど、ブラッドリーのセリフからこのエンディング部分が YouTube にあったので載せておきます)



 
 他にもカッコイイシーンはいっぱいある。

 ウッドワードが、バーンスタインが勝手に自分の原稿を書きなおしているのを見つけて咎めるシーンだ。バーンスタインに「とにかく、私のほうがよくかけていると思うけど、読んでみて君のほうが良いと思えば、そっちを出せばいい」と言われて、「確かに君の方が上手い」とあっさり認め、他の原稿もバーンスタインに手渡すシーン。メンツとかよりも大事なことがあると分かっているのだ。カッコイイ。。

もうひとつ。

 同僚の女性に再選委の名簿が必要だとお願いするシーン。彼女には再選委に勤める男性と交際していたからだ。彼女は婚約を破棄したばかりだから嫌だという。そこをなんとかと粘る2人だけれど、最後にウッドワードが「いや、やめよう」といって諦める。
  このシーンは彼女が可愛そうになった、という情緒的シーンというよりも、むしろウッドワードの冷静さを象徴的に表した逸話なのかな、と思う。どんな手段を使っても・・・、と思って突き進むと足を絡めとられるかもしれない、という自制を示していんじゃないかな。
いずれにしろ、カッコイイ。

 そして、この映画で私が一番美しいと思ったシーンは、図書館で膨大な量の貨出票を調べるウッドワードとバーンスタインの姿だ(これは結果的には無駄骨に終わる)。

 頭上にあるカメラがゆっくりとひいてって、円形に配された机が俯瞰出来る位置までくると、もはや彼らと他の人達の姿に違いはなくなる。図書館で調べ物や読書をしているだけの普通の人間にすぎない。彼らは決してスーパーマンでもなんでもない、ただの人間なんだ、ということを映画は表現しようとしているのではないだろうか。
 ペンだけが(ここでは、タイプライターといった方がいいかも)彼らを特別な存在にしているんだと伝えてているのではないだろうか?





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