プチ・シニアの明るいひきこもり生活

主人公がマッチョじゃないアメリカ映画もあったんだなぁ・・、「アパートの鍵貸します」

      2016/01/31

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 タイトルは中学生の頃から知っていた。でも、これまで見たことがなかった。

 というのは、一つには、私はアメリカン・ニュー・シネマと呼ばれている映画で映画好きになった人間なので、それ以前の古い映画にはほとんど食指が動かなかったっていうのがある。ニュー・シネマって称されるってことは、それ以前と異なるってことだから、必然的にそれ以前は私の好みじゃないっていう結論、いや、思い込みだった。

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 もう一つは、どうもこの頃のコメディ・タッチの作品て面白くないだろうなぁと、やはり思い込んでいたため。ギャグやユーモアって、時代や環境に大きく影響されるものから。だから、実はマリリン・モンローものも見たことがない。

 で、今回、なぜかわからないけど、ふと見てみたら、これが「意外に」面白かった。ギャグはほとんど笑えなかったけど。

「意外に」というのは、内容的に私にとっては「意外」だったからだ。

 まず、主人公(ジャック・レモン)が非常に情けない人物なのが意外だった。なんとなく、古いアメリカ映画に出てくる男は必ず「マッチョ」だって思い込んでいたからだ。そしたら、違った。上司からはバカにされているし、殴られてもそのままだし、彼が「男らしさ」をみせるのは最後の最後に一度だけだ。そして、それはあくまでも精神的な「男らしさ」だ。

 実はこの映画では “mensch” という言葉がテーマになっている。映画の中では”human-being” と説明されているけれど、辞書を引いたらドイツ語で「いい人、立派な人」という意味らしい。「男らしさ」よりも「人間的」あるいは「まっとうな人間」であることが大切だというメッセージを送っている。

 しつこいけれど、意外だった。ジョン・ウェインとかマーロン・ブロンドとかに代表される「強い男」「マッチョな男」の全く対極にあるような主人公なんだから

 もちろん、私は好意的な意味で驚いている。ハリウッド映画の無理矢理なマッチョイズムには辟易しているから、昔も今も(全否定するわけじゃないけど)。

 もうひとつ、意外だったのは、ヒロインのシャーリー・マクレーン

 年をとってからの、彼女のイメージしかなかったので、驚いた。かわいいし、魅力的だ。映画の最後で一番きれいに見えるのは、「旅情」もそうだし「ロッキー」もそうだけど、この頃からの定番なんだなと思う。

 そして、彼女、黒髪でショートカット、ほとんどセクシーさを表にしていない。これも意外。

 マッチョな男には、ブロンドでグラマナスな女性がつきものだけど、この映画ではヒロインもその対極をいっているわけだ。おそらく、この辺は意図的というか、計算した上での設定だと思う。

 個人的に残念なのは、エンディングでああいう行動に出られるような娘は、そもそも始めっからあんな下品な上司と不倫したりしないんじゃないかなぁ、っていう点で、リアリティが今ひとつだったこと。
彼女は最初に登場した時からすごく魅力的な娘に描かれているから、余計そう思う。まぁ、これは私の方にもしかしたらリアリティがない、というか、世間知らずなだけかもしれない(この歳になっても!)

 というわけで、「意外に」楽しめたのでした、この映画。ちなみに、原題は”Apartment” 。これは「アパート」じゃぁ、余りにも味気ないので「アパートの鍵貸します」というのは素晴らしい邦題だと思う。

 おまけ。テニス・ラケットでパスタの湯切りをするシーンはかなり印象的なんだけど、Wiki によるとさんまがドラマで真似したらしい。真似したくなる気持ちもわかる気がする。

少し引用を

Ya know, I used to live like Robinson Crusoe; I mean, shipwrecked among 8 million people. And then one day I saw a footprint in the sand, and there you were.

ねぇ、僕はロビンソン・クルーソーみたいに生きていたんだよ、つまり、800万もの人がいるのにまるで難破したみたいにね。それが、ある日砂の上に足跡をみつけたのさ。そして、君がいたってわけさ。

Some people take, some people get took. And they know they’re getting took and there’s nothing they can do about it.

搾取する人間がいて、搾取される人間がいるの。そして、搾取される人間は分かっているのに、どうすることもできないのよ。

I don’t know what you did to that girl in there – and don’t tell me – but it was bound to happen, the way you carry on. Live now, pay later. Diner’s Club! Why don’t you grow up, Baxter? Be a mensch!

あんたがあの娘に何をしたのかはしらない、いや、言わなくていい、ただ、起こるべくして起こったことなんだ。今楽しんで、そのツケを後で払うことになる。クレジットカードみたいなものさ。バクスター、大人にならなきゃダメだ、立派な人間に( mensch )。
(注:この “mensch” はエンディングでも印象的に使われてます。)





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Comment

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  1. Lingo-Field より:

    私も大好きな映画の一つです。menschに注目されるとは,お目が高い。

    • hotbeard より:

       コメント、ありがとうございます。
       ビリー・ワイルダーって、「第十七捕虜収容所」しか見たことがありませんでした(!)。反省しています。機会があれば、別の作品も見ようと思ってます。

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