プチ・シニアの明るいひきこもり生活

男のロマンを笑おう! ロマンティック・コメディ「お熱い夜をあなたに」

      2015/08/31

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 「アパートの鍵貸します」が思いのほか良かったので、続けて「お熱い夜をあなたに “Avanti!”」を見てみた。ちょうどイマジカBSでやっていたからだ。ビリー・ワイルダー監督、ジャック・レモン主演。

 後で気づいたのだけれど、これは1972年制作の映画で、ということはもういわゆるアメリカン・ニューシネマが席巻している時期である。比べると、いかにのんびりとした牧歌的なのかに唖然とするほどだ。たぶん、若くて、突っ張っている時期に見ようとしなかったのも当然かなと思った。

 で、結論から言うと、私はとてもおもしろく見た。はっきり言って、深みは全くないけれど、コメディとしてはかなり秀逸で、今でも笑えるギャグが詰まっている。最近では一番笑って見た映画かもしれない。

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 でも、深みはない、しつこいけど。ストーリーはかなり荒唐無稽だし、いわゆる「観光モノ」だし、描写は安っぽいし。だからなのか、あまり人気はないのかな、Wiki に日本語のページはない。

 だから、「笑ったけど、最後にしんみりした」というようなコメディを期待するとがっかりすると思う。ただただ、コメディとして笑いながら見る、というのが、正解。ある意味、40年以上も前の映画でちゃんと笑えるって言うのはすごいことだと思う。

 ただ、女性が見ると、どうなのか・・・。

 この映画、徹底的に男性に都合がいいストーリー、女性像、恋愛観、でできあがっているからだ。

 

・主人公は超お金持ち。
 ・父親は、毎年ある女性と1ヶ月だけロマンチックな逢瀬をエンジョイしていた。
 ・女性は最初から主人公に惹かれていて、面倒くさくない女だってアピールをする。
 ・女性は、裸で泳ぐくらい開放的。
 ・最終的に、主人公もその女性と毎年逢瀬をすることになる。


 こう箇条書きに書くと、いかに馬鹿げた男のロマン、いや、妄想だとわかるはずだ。ある意味、ひどい女性蔑視だと私は思う。

 イタリアというロケーション、そして、イギリス人の女性、とい設定は、(アメリカの)女性からの 非難をかわすためなんじゃないかな、って私は疑っている。

 さらに、「太っている」ことをずっと恥じている彼女に、やさしく「そんなことはない」と否定するセリフも、主人公の度量の広さをアピールするためだけのものなんじゃじゃないかと疑っている。

 とまぁ、これは女性から見たらとんでもなくヒドい映画なので非難されてもしようがないとも思うのだけれど、ここは腹をたつのを抑えて、ちょっと見方を変えてみましょうよ、と言いたい。

 私は、実はこのいかにもバカげたプロット自体がこの映画の最大のギャグなのだと思う。そして、その大きな枠の中にいくつものギャグが散りばめられているという構成なのだ。

 だから、男性も女性も、「男ってバカねぇ」「男ってバカだなぁ」って思いながら、個々のギャグを笑って見るのが、この映画の正しい見方じゃないのかな、と思う。

 その上で、観光映画としての機能は十分果たしているから、イタリアのイスキアという小さな島の綺麗な景色は堪能できる。ボロボロのフィアット500の爆走も見られる。

 そんなわけで、結論的にはとても楽しい映画で、今でも見る価値は十分あると思う。まぁ、大傑作とは言えないけれど。

 ただ、邦題は、ちょっといただけない。原題は、イタリア語で”Avanti” 。映画の中の説明だと、(ホテルで)「部屋に入ってもいいですか? “Permessso?”」に対する返答で「どうぞ」の意味。もちろんタイトルでは比喩的に使われているわけで、その辺を生かした邦題にして欲しかったなぁ、と思う。ただ「お熱い」を入れりゃいいってもんじゃないですよ。


ちょっと引用

It says Italy is not a country – it’s an emotion.

ガイドにはこう書いてあるわ、「イタリアは国じゃない、イタリアは『感情』なんだって」

(注:「感情」って訳したけれど、”emotion” って「感動」のほうがいいのかしら・・)

Blodgett: Maybe it’s one of those Greek islands?
Pilot: No sir, Greece is way to the left.
Blodgett: Not as long as I am with the State Department!

ブロジェット「たぶん、ギリシャの島のひとつだろ」
パイロット「いえ、ギリシアはもっとずっと左よりのはずです。」
ブロジェット「私が国務省にいる限りは、そんなことはありえん。」

(注:ちょっと分かりづらいですけど、ヘリコプターの上から島を見ながらの、国務省のブロジェット氏とヘリコプターの操縦士の会話です。)

Blodgett: What the hell is going on in this country? This wouldn’t have in the old days!
Man: You remember Mussolini?

ブロジェット「この国はいったいどうなっているんだ。昔はこんなじゃなかったぞ。」
男「ムッソリーニを覚えてるんですか?」

Blodgett: I don’t object to foreigners speaking a foreign language. I just wish they’d all speak the same foreign language.

「外国人が外国語を話すのに反対するわけじゃないが、できればみんなが同じ外国語を話して欲しいもんだよ。」





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