プチ・シニアの明るいひきこもり生活

昔々、ブライアン・デ・パルマという監督が「ボディ・ダブル」という映画を撮ったとさ。

      2016/01/31

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 ブライアン・デ・パルマ監督、懐かしい響だ。昔、盛んにもてはやされた時期があった気がする。最近はとんと名前を聞かないような気がする。実際は私が聞かないだけかもしれないけど。

 当時見た記憶のある、と言っても、内容の記憶はほとんどない「ボディ・ダブル」をもう一度見てみた。偶然CSでやっていたというのが理由だけれど、もうひとつタランティーノがデ・パルマのファンだったというのを知ってからちょっと気になっていたという理由もある。

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 映画が始まってすぐその「安っぽさ」に唖然とした。デ・パルマって当時オシャレな雰囲気で語られていた気がするのだが、今見ると、それはない。いや、時代が変っただけなのかな・・。当時はキッチュで良かったんだろうか。まぁ、とにかくタイトルロールからして「安っぽい」。この「安っぽい」はいい意味でも悪い意味でもある。数分見て、あ、タランティーノに似てるって思った。実際は、もちろん、逆だけど。

さて、映画の内容だけど、当時からデ・パルマはヒッチコックが好きでオマージュ満載、って言われていた。全くその通り。ある意味あからさま。

レンズの向こうで殺人が行われるのは「裏窓」だし、女性の後を追いかけるのや閉所恐怖症なのは「めまい」だし(ただし、「めまい」は狭所恐怖症だった)、殺人のシーンで電話のコードを首に負けつけて「ダイヤルMを廻せ!」からの引用だ。細かいところでも引用していそうなので、私の気が付かないものもきっとあるんだと思う。(余計なお世話だけど、このヒッチコックの3作はどれも傑作!)

 タイトルになっている「替え玉」についても、「めまい」のメイン・トリックなので、端からヒッチコックの作品をネタに一つの映画を作り上げるっていうコンセプトだったんじゃないかな。
 こういう引用、オマージュのやり方を、タランティーノがまた「引用、オマージュ」しているんだと思う。言ってみれば2重の引用

 途中で、Frankie Goes to Hollywood の”Relax” がかかる! 懐かしい。あの歌は文字通り一斉を風靡したけれど、あっという間に「古臭く」なった(今聞くと懐かしいけどね)。あまりにもある時代にピッタリとフィットしてしまうと風化するのも早いということか・・・。この映画もそういうところがあるかもしれない。

 そういえば、この映画、「エロティック・サスペンス」というような呼ばれ方をしていたけど、これまた古臭くて、苦笑いしかできない。端的に言って、エロくない。「エロ」とか「セックス」とかも新しそうなものほど風化するのも早いんだと思う。

 まぁ、懐かしくて面白かったけど、昔のあの持ち上げ方はどうだったんだろう、って言う思いも残る。

 それと、エンディングで主人公が殺されそうになる場所が「貯水場」だ。英語で言うと、”reservoir” だ、というか元はフランス語かな。そう、あのタランティーノの「レザボア・ドッグス」の「レザボア」だ。このシーンには犬も出てくるので、「おっ、そうか、ここからタランティーノはあのタイトルを考えたんだな」って思ったのだが、Wiki にもその辺のことは書いていなかった。

 残念。いや、絶対そうだと思うよ、私は。



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Comment

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  1. mimi より:

    90年代、わたしは映画にはまりました。デパルマ監督の独特の世界が良いです。カリートへの道も、なかなかでした。タブレットから途切れる回線で、書いていましてなんか、分脈もなく すみません。

    • hotbeard より:

      mimiさん、度々のコメントありがとうございます。

      ごめんなさい、「カリートの道」、見た気はするんですが、覚えてません。アル・パチーノですよね・・・。
      そういえば、この間「フューリー」っていうのを見ましたが(最近同名の別の映画があるみたいですけど)、最後はちょっと漫画でした。私の好きなジョン・カサヴェテスが爆発しちゃうんで悲しかったです(が、ちょっと笑いました)

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