プチ・シニアの明るいひきこもり生活

いまさらですけど「カサブランカ」を見たんですよ

   

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 いまさらながら、「カサブランカ Casablanca 」を見た。案外こういう、いわゆる名作・古典とか見落としてることが多いので、いけないなぁと自省しながら見てみました。

 そしたら、面白い。いいなぁ、かっこいいなぁ、いやぁ、かっこいい男はかっこいい、などという当たり前の感想。反骨心があるってかっこいい、基本的に。

 で、これってまさにハードボイルド。「ハードボイルド」っていうと、なんか、やたら暴力的な面が強調されたりするけど、私は違うと思うなぁ。この映画でも暴力的なシーンはほとんどない。主人公のリックは最後に銃を一発撃つだけだし。私の思う「ハードボイルド」の定義って「自分の決めたルールを守る」っていうのが基本なんだけど、それに加えて、「好きな女から身を引く」っていうのがあって、これはまさにそれ。「君を必ず幸せにします」なんて言えない思想なんですよ、ハードボイルドって。
 話は飛ぶけど、寅さんシリーズはそういう意味ではすごくハードボイルド、私的には。

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 他の感想を列挙すると、イングリッド・バーグマン Ingrid Bergman はやっぱり綺麗だなぁ、とか、”As Time Goes By”が素敵だなぁ、とか、かっこいいセリフだなぁ、とか・・・。

 例の、超有名な「君の瞳に乾杯」(英語では、”Here’s looking at you, kid.” )は相当自信があったんだろうなぁ、4回聞かれた。

 そういえば、クレジットにあの「ダーティ・ハリー Dirty Harry 」のドン・シーゲル Don Siegelの名が載っていて(小さくだけど)驚いた。

 結論的にいうと、これは男のための映画だっていうこと。出てくる男が多かれ少なかれ、みんなかっこいい(もちろんナチは除く)。パワハラでいけないことを企てる警察署長でさえ、最後はかっこいい。あ、ちなみに、主人公のリックはちょっと女々しいいところを見せる。これは、イルザ(バーグマン)の旦那が、完全無欠的すぎる(変な日本語、「完璧すぎる」も変だな)ので凡人には感情移入しにくいから、ちょうどいい、っていうか、最後によりカッコよく見せるための布石かな。

 で、面白く見終わって気になったのは、これが男のための映画だっていうことはよくわかるんだけど、それにしても女性の扱い、というか、描き方がひどい。もう、これは男のかっこよさを描くための道具としてしか考えていないんじゃないかなと思う。女性はほぼ3人しか出てこないけど、みんな弱い、いろんな意味で。もう、ちょっと言うと、強い男のかっこよさを見せるのには都合が良い女性しか出てこない

 うーん、この映画を見て「私も『君の瞳に乾杯』なんて言われてみたい!」なんて思う女性がいたら、その人、ちょっとまずいんじゃないかなと、老婆心ながら思ったりする。

 まぁ、この映画が撮られた時代も、ウーマン・リブのはるか以前のことだし、ハリウッドだしってことで、単純に楽しめばいいのかなと思うけど。

 私は楽しみました。女性の方、すみません。

 最後に、私はこっちのセリフの方が好きです。これも有名ですけど。

Play it once, Sam. For old times’ sake.
「あれを弾いて。昔のよしみで」

日本語にするとあれですけど、英語はかっこいい気がする。

あ、もう一つ、おまけ。これはカッコつけすぎ!こんなこと、普通の人が言ったら殴られます。

“Where were you last night?” “…That’s so long ago, I don’t remember.”
“Will I see you tonight?” “…I never make plans that far ahead.”
「昨夜はどこにいたの?」「そんな昔のことは覚えちゃいない」
「今晩会える?」「そんな先のことまで考えちゃいない」

あ、あ、もう1つ。

We’ll always have Paris.
「俺たちにはこれからもずっとパリの思い出があるじゃないか」

日本語は説明しすぎ。これは場所を変えても実際に使えそうなセリフですけど、まぁ、やっぱりパリが一番しっくりくる気がするのは、幻想でしょうか・・・。


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