プチ・シニアの明るいひきこもり生活

刑事コロンボ「アリバイのダイヤル 」- The Most Crucial Game

      2015/08/30

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 第12作目。原題は、”The Most Crucial Game”で意味は「最も重要な試合」。この “Game” には、コロンボと犯人の頭脳合戦の意味も含まれている。放題もかっこよくていいのだけれど、そのニュアンスは消えてしまう。まぁ、直訳の「最も重要な試合」じゃカッコ悪いし、ダブル・ミーニングを邦題に活かすのはかなり難しいとは思う。

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 今回の作品は、これまで以上に「緻密」に作られているというのが見終わったあとの感想だ。正直言って、トリック以外は覚えていなかったのだけれど、よく練られた脚本といつもより凝った映像で深みがある作品だと思う。アメフトという派手な舞台設定ながら、地味な印象があるのは、逆にそういう深みのある、整理された構成のせいかもしれない。

 この作品で、私が一番好きなシーンは、誰もいないスタジアムの客席に一人座って考えるシーンだ。

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トリック


Then it suddenly occurred to me. I had it backwards. Maybe it was a sound that should be there and wasn’t.
「突然気づいたんですよ、逆に考えていたって。聞こえるはずの音が聞こえないんじゃないかって」

 コロンボは、アリバイを崩すような「余計な音」が何か入っていないか、何度も電話の録音テープを聞く。そして、最終的に、引用したセリフのように「逆」に考えてアリバイを崩す。「余計な音」ではなく「足りない音」が “Crucial “(重要、決定的)だったわけだ。

 この「逆の発想」は、推理モノではよくあるパターンなので、今見るとインパクトは弱いけれど、初放送当時(1972年)にはそれなりに驚きを与えるものだったかもしれない。

緻密な構成


 私がこの作品が緻密だと思うのは、2点。伏線の仕込み方が絶妙な点とトリック以上に意外な展開が組み込まれている点だ。

 伏線に関しては、最後に明かされるトリックのタネが大胆にも冒頭にさり気なく挿入されている。もちろん、その時点で(初見で)気づく人は誰も居ないけれど。
 もうひとつ。こちらのほうが巧妙だけれど、やはり冒頭に近い部分での解決のカギとなる女性の名前がさりげなく明かされている。これも、あの秘書の受ける電話の相手の名前を気にかける人はいないんじゃないだろうか。

 そして、意外な展開は、盗聴器に関してだ。やはり、誰もが犯人のハンロンが仕掛けたと思うはずだ。まさか、ハンロンもまた盗聴器を仕掛けられていたなんて・・。そして、さらに実はハンロン自体がそのことに気づいていて逆にアリバイ作りに利用するなんて・・・。

「カミさん」の活躍


 今回は2点で貢献。

 まずアイスクリーム屋の巡回する時間に関して。「カミさん」はいつも怒っていたらしい。

 もう1点は、「カミさん」が使うヘア・ドライヤーのせいでラジオにノイズをのることから、盗聴器があることに気づくというくだり。
2つとも、普通の生活の中でのヒントなわけで「カミさん」から聞いたという設定が生きている。そして、2つとも、事件解決の重要なヒントになる。

ちょっとコミカルなシーン


弁護士に靴の値段を聞く

What’d you pay for those shoes?
I think about, uh, $60.
I stepped into some water yesterday.I ruined mine.
You don’t know where I could get a pair that looks like that for around 16 or 17?
「その靴おいくらでした?」「60ドルくらいでしたかな」「昨日水に入ってダメにしちゃったんですがね、そんな感じの靴が16,17ドルくらいで買える所、どっか知りませんかね?」


 弁護士(しかも、かなり上のレベルの)に、平気で安い靴を買えるところを聞いてしまうのがコロンボらしいところ。

ロコージー女史に会うシーン

Look, honey, you should’ve called before you came up.
I’m busy.
「ねぇ、ハニー、来る前にでんわしなくちゃダメよ。私忙しいのよ。」

 実際に一番面白いのは、コロンボが警察だということを告げた瞬間の短い沈黙のシーンだと思う。
 コロンボにはあまり関係ないけど、向こうの映画やドラマには、このように自宅に客を呼んで売春するっていうパターンがよくある。

旅行代理店

And where would you like to go today?
Home.
What?
「さぁ、今回はどちらへお出かけでしょうか?』
「家さ。」
「えっ?」

 ここはトリックに気づくシーン大事なシーンだけど、こんなボケた話からスタートする。

ちなみに、この旅行代理店の前にはこんなポスターが張ってあった。

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その他


私立探偵には厳しい


 普段、犯人には丁重に接するコロンボだけど、今回の私立探偵のように、非常にぞんざいな接し方をすることもある。同業者ということもあるだろうけど、かなりぞんざいな扱い。つまり、いつものあの丁重さは「戦略」の一つということだ。
 まぁ、コロンボシリーズの犯人は、その辺のチンピラとは違う、それなりの地位を築いている人間なので当然ともいえる。ただ、この私立探偵に対する「ぞんざい」な態度も、親近感の現れともいうべきもので嫌味はない。




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 - いまさら刑事コロンボ

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