プチ・シニアの明るいひきこもり生活

刑事コロンボ「殺人処方箋」

      2015/08/25

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記念すべき第1作。

 コロンボの髪もまだ短く、ボサボサではない。それ以外はそれほど違和感はない。コロンボのキャラの設定は、最初の段階で練り込んで合ったのだと思う。ストーリーもすごく良く出来ている。

 なんとコロンボが登場するのは始まってから30分過ぎ。確かに殺人が終わった後に登場するわけだからそれなりに遅いとはわかっているんだけど、こんなに遅いなんて…。

 さて、面白かったところを何点かメモ。

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アリバイのトリックがすごくいい


 実際よりもかなり若い女性(ジョアン)が犯人(フレミング)の奥さんに化けて、アリバイ作りを助けるんだけど、そのジョアンが心配になって「絶対にばれるわ」って心配して言うと、フレミングはこう答える。

People see what they expect to see. 
It’s the principle of association.
「人は先入観でものを見る。それが連想の基本だよ」。


 そして「キャロル(奥さん)の服を着て僕といるってことは、僕の妻っていうことだよ。」と説明する。

 このドラマを見ている人たちの心の中にも、あの奥さんとこの若い女性じゃ、ちょっと無理があるんじゃないかな、っていう疑念が浮かんだんじゃないかと思うけれど、Psychiatrist (精神科医)という設定のフレミングの説明で納得するように仕立ててあるんだと思う。

 もちろん、ここはフィクションだけど、この理論は実生活でも多々見られるんじゃないかな。詐欺なんて、典型的。ダマされる人は間違いなく ” What they expet to see (直訳すれば、「見たいと思うもの」)” を見てるんだよね。

ジョアンは弱い?強い?


 彼女の気持ちが揺れ動く様がすごく興味深かった。

 最初は、不安で、弱気なところを見せていたのに、いざ飛行機の中で夫婦喧嘩を演じるところでは「完璧にこなす」ほどの精神的な強さをみせる(女優であったとしても)。

 そして、コロンボの珍しく強気の攻めに抗いきれず、「落ちた』と思わせたところで「気丈な」ところを見せるシーン。個人的にはこのシーンが、この話の一番おもしろいと思った(最後のトリックよりもね)。

 そして、彼女の見せた「気丈さ」が、最後、フレミングはアリバイ作りに利用しただけで彼女のことを愛してなんかいなかった、と分かった時に進んで供述するという態度に繋がって行く。
何も言わずフレミングのところへ歩いてくる数秒のシーン、そんな彼女の「気丈さ」をすごくうまく表現しているなぁと思った。

心理分析


 後半、コロンボが、フレミングによって「分析」されるシーンがある。これって、第一作だからコロンボのことを紹介する意味も兼ねているのかしらん。

フレミングはこう分析する。

 But you’re a textbook example of compensation. Compensation. Adaptability.
You are an intelligent man, Columbo. But you hide it.
You pretend something you are not. Why?
Because of your appearance.
You think you can’t get by on your looks or polish,
But you turn that defect into a virtue.
You take people by surprise.
They underestimate you and that’s how you trip them up.

 (「君は典型的な「代償作用」の実例といえる。欠点をカバーする「代償作用」さ。優れた知性を持つがそれを隠している。道化のようなふりをしている。何故か?その外見のせいだ。外見のせいで押しも効かないし、尊敬もされない。が、君はその弱点を逆に武器にする。君は不意打ちをかける。見くびっていた連中はそこで見事に躓く。」)

それに対してコロンボの言うセリフが、

 Boy, you got me pegged. Pretty good, doctor.
(「まいったなぁ、図星ですよ、そのとおりですよ、先生」)


 更に、コロンボは、犯人本人に「犯人像」を推理(性格には心理分析)してもらうという、きわどいゲームを試みる。コロンボはこのフレミングが犯人だと確信しているし、フレミングもそのことをわかっていて、あえてそのゲームを楽しむかのように参加する。

 こう言ってフレミングはコロンボの誘いに乗ってくる。

 Like a murderer, for instance? (「例えば、殺人者の心理かね?」)

コロンボは、こう補足する。

I’m not talking about the average hothead. You know, the guy who pops somebody with a jogging of a bottle. (「私が言うのは、すぐカッとなって酒瓶でぶん殴っちゃうような手合じゃなくて・・・」)

これから続くシリーズに、その手の犯人は出てきませんよって宣言しているかのようだ。

 で、フレミングがいくつか犯人像をあげた後に、コロンボは大胆にもこう聞く。

 How do you catch a man like that?(そういう犯人をどうやって捕まえましょう?)

フレミングの答えはこうだ。

 You don’t. (つかまらんね)

いや、面白い。


おまけの小ネタ


◯ 冒頭のパーティのシーン。Yes / No 質問だけで誰だか(Bで始まる人)を当てるゲームをしているけど、「ニューヨークの指揮者?」「18世紀の法学者?」とかの質問に混じって、「有名な殺人者?」って誰かが聞いている。(字幕は、質問が違っている気がする)

◯ 奥さんのキャロルはアカプルコから帰ったら部屋の模様替えをする、と言う。そして、飾ってある絵も変えたいと言う。

Maybe we should buy some paintings of soup cans.

ここ、字幕や吹き替えでは「静物画」ってなっているけど、元の英語は Soup cans なんだね。きっと、ウォーホールの「キャンベル・スープ缶」のことだと思うな。

◯ 最初と最後にペンを借りてますね。これから先何度も見かけるシーンはここからスタート。


 さらに、おまけというか、英語の勉強も兼ねて見たので、そのメモも別記事(「刑事コロンボ」で英語の勉強1)で載せておきます。


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