プチ・シニアの明るいひきこもり生活

お年寄りにも素敵なロマンスはある!・・・のか? 「トレヴィの泉で二度目の恋を」

      2017/01/18

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 まず、苦言を。この邦題は勘弁してほしい。こういうタイトルつけるセンスが私にはわからないけれど、そんな私の嗜好は別にしても、この映画の邦題は原題のまま「エルサとフレッド」にすべきだった。というのは、この映画のエンディングを飾る大事なシーンはフェリーニの「甘い生活」のワンシーンなのだ。となれば、監督は同じくフェリーニ作の佳作「ジンジャーとフレッド」に寄せてタイトルをつけているのは間違いないのだから。
 多分、この邦題を聞いたら監督は怒ると思うなぁ、私は。

さて、これは老人のロマンスを描いた映画だ。私がこの映画がいいと思うのは、何も私も老人の一員(いや、まだ一歩手前だけど、と個人的には思っているけど)だからっていうだけではない。だって、さっきあげたフェリーニの「ジンジャーとフレッド」はずいぶん若い時に見たけれど、とてもいい映画で感動したんだから(正直言って、この映画よりずっといいと思った)。

と、書きながらも、やはりこれは老人のための映画かもしれない。

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 ギターを弾いてくれとエルサに頼まれた時(「ほどほど so-so でいいんだから」)、フレッドはこう言う。

Excuse me. I don’t do anything so-so. I never have, until now. Now I’m old, everything is so-so.
I much prefer lying in bed than to waste energy obtaining results that I know will always be mediocre, and that goes for walking, talking, thinking.

「失礼だが、私は物事をほどほどにやるのは嫌だし、ずっとそうだった。ところが、こう年をとったら、すべてほどほどしかできなくなったっだ。大した結果も出ないってわかりきってるんだから、そんな無駄にエネルギーを使うくらいなら、こうしてベッドに寝ているがずっとマシさ。散歩も、おしゃべりも、考え事も同じさ。」


わかるなぁ、わかる。まぁ、私なんか、若い頃からずっと so-so で mediocre だったので、よくわかる(?)

という、偏屈なフレッドが、シャーリー・マクレーン演じるエルサによって変わっていき、最後はほどほどじゃないことをやり遂げる、っていうストーリーなわけ、勝手にまとめると。

映画の中で一番素敵な台詞は、エルサの言うこれ。

He said, “what you should do is mock death, and then she will be afraid of you.”
You’re not afraid of death. Fred, you’re afraid of life

「彼(ピカソ)はこういったのよ、『死なんか笑いとばせばいいのさ、そうすれば、死の方があんたをこわばるようになる」
あなたが怖がっているのは、死じゃないのよ、フレッド、あなたが怖がっているのは生よ。」


この「彼」はピカソのことなんだけど、本当にピカソがそういったのかどうかは知らないけれど、なかなか良い。そして、後半のエルサ自身の言葉にはなかなか突き刺さるものがある。

たしかに、もうあまり死は怖くないけど、このまま「ほどほど」で生きていくのかと考えることの方が怖い。

さて、シャーリー・マクレーン。この映画では昔はすごい美人だったという設定だけど、実際の彼女はそれほど美人という感じじゃなかったな。でも、なんかたしかにちょっとひねった魅力はあった。今回も、おばあさんだけど、十分に魅力的。

年をとると、若い時はあーだったのに今はこれかよ、ってマイナスに考えがち。私で言えば、若い時は髪もフサフサしてたし、腹も出てなかったし、みたいな・・・。

ところが、このエルサは、全くもってそう思っていない。なんて言ったらいいのかな、今は今で一番いい、みたいな。

そういえば、昔、赤瀬川原平の「老人力」って流行ったなぁ。あの頃は自分も若かったので、ジョークとして笑っていたけど、今となってはマジに読み返したほうがいいかな。「老い」をプラスにとらえるみたいな発想もある、ってこの映画を見て気づいた、というか思い出した。

さて、邦題にもなっている「トレヴィの泉」のシーン。私はいいんじゃないかなと思うなぁ。ちゃんとアイスとか猫とか小道具まで準備するところが良い。

最後の最後のオチは、ちょっと見え見えだったかな。



(鑑賞記事書いてます。「アパートの鍵貸します」))


(このニセ尼さん役もなかなか良かった)





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