いまさら「ゴッド・ファーザー」
2016/01/31
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CSでゴッド・ファーザーのTVシリーズというのをやっていた。2時間枠が4章まで。基本的に、映画版パート1とパート2をほぼ時系列に組み換え、映画で使っていなかったシーンを加えたものらしい。
そういえば、昔「ゴッド・ファーザー・サーガ』っていうのがあった気がするけど、それと同じものなんだろうか。あれは見なかった。「映画」がそのままで最高の構成だと思っていたから、わざわざ時系列にするなんてそんな「野暮な」ことするなよって思って見なかったのだ。
だから、実は今回も見るつもりはなかったんだけど、なにげに見始めたら、やたら面白くて8時間ほぼぶっ通しで見てしまった。
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「ゴッド・ファーザー・シリーズ」は、私にとってオールタイム・ベスト2の映画なのだ(ベスト1は「タクシー・ドライバー」)。それくらい好きで、さらに見れば見るほど好きになる。
初めて見たのは中学生の時で、映画館で封切りの時だった。はっきり言って、ほとんど良さがわからなかった。たぶん二十歳くらいの時に、何度目か見なおした時に初めて好きになった。それから、見る度に好きになる。年齢が増えていくのに比例して、好感度が増していく感じだ。
さて、ゴッド・ファーザーの良さを人に伝える時、いつもうまく伝えられないもどかしさを感じていた。ギャング映画じゃん、って言われると、そうなんだけど、それは扱われている題材がそうなだけであって、それだけじゃないんだよなぁ・・。
これまでは、
「『男が生きる悲しさ』を描いた映画なんだよ」
ってうような言い方をしていたんだけど、今回見て、
「人生が描かれた映画なんだよ」
っていう、説明を思いついた。思いついた。時系列で描かれていたから、余計に「人生」というのがわかりやすくなったと思う。だけど、この説明じゃ、余りにも当たり前すぎて面白くない。
ので、もうちょっと気を利かせた。
「『ゴッド・ファーザー』って、『喪失』の物語なんだよ。もうちょっと言うと、愛による『喪失』の物語。」
マイケルは、父が撃たれたことにより、それまで反発していた(入隊したりとか)父への愛情に目覚める、というか、おそらく反発も愛情の裏返しだったんだろうけど。そして、そこから彼の「喪失」の物語がスタートし、最終的に娘の死で完結する。全編に漂う「悲しさ」は、この映画が基本的に「喪失」を描いているからなのだと思う。
もちろん、パート1の陳情する葬儀屋へのゆっくりとしたクローズアップから始まり、一つ一つが非常に凝った殺人シーン、数々のため息が出るような美しいシーン、と映画としてとにかく素晴らしいのはもちろんなんだけど。
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