プチ・シニアの明るいひきこもり生活

あまり人に教えたくないほど面白い「グランド・ブダペスト・ホテル」

      2016/08/12

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 いやぁ、超おもしろい映画だった。

 最近は、映画をほとんど情報なしの状態で見ることが多いんだけど、今回はホントにゼロ。何故見ようと思ったかというと、「ブダペスト」ってタイトルに合ったからだけ。それも、数年前に行ったからというだけ。そうしたら、全然関係ない話だった。

 しかし、物理的にほぼひきこもりの生活をしているとはいえ、情報的にもこんな面白い映画を知らないほど引きこもっていると改めて実感した。

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 見た後もネットで調べたりせずにこの文を書いている。おそらく絶賛の記事が溢れているんじゃないかと思うからだ。あんまり多いと自分が書く必要がないじゃん、って思ってしまうので読まない(普段もあんまり読まないようにしているんですよ、同じ理由で。データ確認くらいで)

 見た興奮がまだおさまっていないので、今回は箇条書きに書きなぐってみる。それと、これまで書いた映画と違って比較的新しい気がするので、ネタバレしないように気を付けたい。

1 映像が印象的

 すぐ気づくのは、ほとんどの画面がシンメトリックな構図になっていて、役者やら大事な物やらがドーンと真ん中に配置されている。シネマサイズが3:2(?)なのはこの構図のためなのかしらん。これがある意味ちょっと気持ちが悪いんだけど、なかなか面白い。
 映像は基本的にすごく綺麗。ため息が出そうなほど美しい。

2 俳優陣がすごい。しぶい人多数。

 なぜこんなにいっぱいいい俳優がでているのかと驚く。普通なら無名の俳優でも問題のない端役にまで、有名な、そして、かなりくせのある名優が名前を連ねている。私が好きな俳優がいっぱいいるのも面白かった要因の一つ。あえて、ここには書かないのでWikiとか で確認してほしい。

 とりあえず、一人だけ書いちゃう。主演はレイフ・ファインズ ( Ralph Fiennes ) 。以前書いたけど「レッド・ドラゴン Red Dragon」もよかったし、「ナイロビの蜂 The Constant Gardener 」も素敵だった。他にもいろいろあるけど、完全に演技派。今回は珍しくコミカルな役だけど、やはり上手い。

3 ファンタジーで英雄譚

 見始めてすぐに、テリー・ギリアム (Terry Gilliam )監督「バロン ( The Adventures of Baron Munchausen )」にちょっと似てると思った。ファンタジーで英雄譚だからかな。破天荒度では「バロン」に譲る。つまりこっちの方がリアルに近いファンタジー(?)ということだ。
 そもそもホテルのコンシェルジェ(英語では「コンシェアージュ」かな)の英雄譚だから当然か。時代的なものもあるけれど、コンシェルジェのヒーロー物というのが成り立つのがすごいなと思う。日本ではつい最近だものね、コンシェルジェって言葉が定着したの(安売り気味に使われている感もある?)

4 コミカル

 何度も声を上げて笑ってしまった。コミカルな映画だなんて思っていなかったので余計に面白かった。ツボをおさえたギャグだし、俳優陣もとても楽しそうに演じている。残酷なシーンも少しあるけど、コミカルなシーンと同居してるので重くならない。

 そんな訳で、久々に「まだ見ていない人は幸せだなぁ」っていう賛辞が使える映画でした。

 最後に、例によっていくつか引用を。

Rudeness is merely an expression of fear. People fear they won’t get what they want. The most dreadful and unattractive person only needs to be loved, and they will open up like a flower.

「粗雑さとは単に恐怖がにじみ出ただけのものだ。人は欲しいものが手に入らないことを何より恐れている。だから、とんでもな無礼で魅力のない人間も、ひとたび人に愛されさえすれば、花のように魅力を開花させるのだ。」

“She was dynamite in the sack, by the way.”
“…She was 84, Monsieur Gustave.”
“Mmm, I’ve had older. When you’re young, it’s all filet steak, but as the years go by, you have to move on to the cheap cuts. Which is fine with me, because I like those. More flavorful, or so they say.”

「ところで、彼女はベッドでもすごかったのだ。」
「・・・・、彼女は84才ですよ、グスターブ様」
「うむ、私はもっと年上とも経験があるがね。若い時は、だれでも「ヒレ肉」を食べるのさ、しかし、年をとると否が応でも『安いスジ肉」を食べるなきゃいけなくなる。ちなみに、私は、そういう肉のも好きだがね、言ってみれば、より風味があるという感じで。」


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