プチ・シニアの明るいひきこもり生活

マラッカの夕日を忘れない・・・、いや、覚えていない

      2015/08/30

SPONSORED LINK

sunset-298846_1280

 夕日といえばマラッカだ。マラッカ海峡に沈む太陽が染める赤い空だ
一般的には違うかもしれないけれど、私はそう思っていた。例の「深夜特急」の印象が強いのかもしれない。少し前にテレビドラマになった時もすごく綺麗に、印象的に撮られていた。といっても私が行ったのはドラマの撮影の前だった。

SPONSORED LINK



 マレーシアを旅行した時に、バスでマラッカに行ってみた。当時、クアラルンプールのバスターミナル(たぶんプドゥラヤ・バスターミナル)は2階で切符を買い、1階の発着所から乗り込むシステムだったが、これが大変だった。1階に降りてみると、何十台ものバスが待機していて目的のバスを探すのに苦労した。その時は、結構ギリギリの時間だったので焦った。

 実際その時は夕日は見られればいいけれど、帰りのバスの都合でどうなるかはわからなかった。ニョニャ料理を食べて、適当に街を散策して、そして、バスターミナルに戻った。

 そこで、タクシーの運ちゃんに「夕日を見に行って、最後のバスに間に合うように戻ってこられる?」と聞くと、運ちゃんは、当然のように「ノープロブレム」と言った。大体、アジアで「ノープロブレム」ほどあてにならない言葉はないのでちょっと迷ったのだが、結局せっかく来たんだし、別に一泊してもいいかと思ってタクシーに乗り込んだ。

 タクシーの運ちゃんが連れて行ってくれた場所は、まさに夕日を見るに相応しい場所だった。静かな場所で、桟橋のように海峡につきだしている歩道もあった。おそらく、定番の場所なんだろう。人影はまばらで、若いカップルが佇んでいた。
ロケーションもシチュエーションも文句がない。あとは太陽が沈むのを待つだけだ。

 と、その時、大型バスが2台やって来た。

 嫌な予感がした。英語のよくあるセリフで言うと、”I have a bad feeling about this”。

 嫌な予感はなぜかたいてい的中する。大勢の観光客がバスから、文字通り、吐出されてきた。あたりは、一瞬でさっきまでの静寂が嘘のように騒然とした。

 「愛の言葉」と同じように、今まさに太陽が沈もうとしている時の夕日も、やはり適した雰囲気というものを要求する。

 今やそれがいとも簡単に壊されてしまった。

 実は、今思い出しても、どんな夕日だったか記憶に無いのだ。ただ、ため息をついたことだけは覚えている。


 ところで、何年も経ってから、私は「遠い夕暮れ」という曲を作った。その時もしかしから、マラッカの夕日をどこかにイメージしていたかもしれない。




SPONSORED LINK

 - 消えそうな旅の断片 ,

Message

  関連記事