プチ・シニアの明るいひきこもり生活

昔スターリンってバンドがあってさぁ、って思いながら「少年メリケンサック」を見る

      2015/08/25

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「どうせ俺らは笑われもんだろ?若ぇ頃は大人に笑われて、今、ガキに笑われて、今更カッコつけてどうするんだ」

 テレビで「少年メリケンサック」を見た。この映画は、封切り時に見ている。その封切り直前に

遠藤ミチロウ

のライブを見た時、この映画に出たことを話していたからだ。確かに、居酒屋のオヤジとして2シーン、インタビューっぽく一言二言・・・、確かに出ている。

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 監督が

宮藤官九郎

っていうのも、ちょっと気になっていた。恥ずかしながら、その時点では、名前をよく見かけるけれど、どんな作品を作る人なんだろう、くらいの気持ちだった。ほとんど日本のテレビ・ドラマをみない人間なせいもある。

 映画は正直言って、全体的にはまぁまぁだったかな。でも、わりと好きな作品だ。パンクをドタバタとコメディタッチで描いていたけど、そこには「パンクへの愛」が見てとれた。宮藤官九郎は、年齢的にパンクを同時代的には経験していないだろうが、パンクは好きなんだと思う、例え、それが80年台アイドルへの愛と同じ種類のものであっても。

 彼は、セリフが見事だと思う。「あまちゃん」でもすごく感心した。そして、特に決めのセリフでは、本質を突くような「切れ味の鋭いセリフ」をきちっと決めてくる。この映画では、冒頭の引用がそれに当たる。

 このセリフは、パンクの本質を突いて入ると思う。少なくとも、私の思っているパンクの本質を突いていると思う。映画の中で、「パンクって何?」という質問に、「勢い」とか「初期衝動」とか答えている(ちなみにミチローは「素っ裸になること」って答えている)。確かにそのとおりだけれど、冒頭に引用したセリフが最も深く掘り下げた解釈なんじゃないだろうか。
 私は、結構このセリフでウルウルきたんです、実は。

 去年の「あまちゃん」で全国区、全世代に、その才能は知れ渡った訳だけれど、私も初めて「あまちゃん」で彼の才能に感服した1人だ。

 ところで、「あまちゃん」では挿入歌が大ヒットしたけど、この映画の挿入歌もそれぞれのキャラをとらえたよく出来た曲だと思う。個人的には、少年アラモードの「僕らのネバーマインド号」が好きだが、どうだろう?

 「あまちゃん」を見た後だと、初めて見た時とまたちょっと違う感想も浮かんでくる、というのは、「あまちゃん」はやはりNHKの番組だから、当然「過激な」シーンは全くなかった。そんな「制限」の中であれだけの面白いものを作れるんだから、たいしたものだと思う。この映画では、フックとして結構過激なギャグが使われていてたけれど、宮藤官九郎にとっては別に必須じゃないんだなって思った。

 最後に。私はスターリンのライブを何回も見たし、実は足元でモニターを支えていて髪の毛がツバだらけになったことがある人間なのだ。映画の中の「少年メリケンサック」のライブシーンはその頃の小さいハコで見たスターリンのライブにすごく似ていて懐かしかった。

 これは、書くかちょっと迷ったが、さらに実は私はスターリンの前座もやったことがあるのだ。楽屋のミチロー(さん)は、口数少なく礼儀正しい紳士だった(ミチローについてはまた別の稿で書きたいなぁ)。

(最初見た時には、あまり気にしなかったんだけど、「あまちゃん」を見たあとなので、やはりいろいろディテールも拘ってるなって思いました。烏丸せつこが出てきたのはちょっと驚きました、っていうか忘れてました。)
(ミチロウは今のソロのライブもすごくいい。)


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