紫煙も登場人物ですねと独り言ちながら「マイ・バック・ページ」を見る
2015/08/25
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タイトルは、ボブ・ディランの歌” My back pages” から取られているが、1ページという意味で 映画の方は、page と単数形になっている。
この歌は、結構歌詞が難しくてなかなか理解できないところが多いんだけど、青年期の葛藤とかモヤモヤとか苛立ちとか怒りとを、凝った表現で歌っているのだと思う。
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タイトル・エンドでは、真心ブラザーズ(と奥田民生?)が日本語の歌詞で歌っている。こっちは分かりやすい。サビの部分は英語のままだけど。彼らのことを知らなかったので、歌い方が吉田拓郎っぽいって思った。
この間行ったカラオケには、ディラン・バージョンのこの曲があって、歌ってみたけれど、サビしか歌えなかった。悲しい。
Ah, but I was so much older then,
I’m younger than that now.
さて、
川本三郎の本の映画化だ。川本三郎という人の名前を聞くのは久しぶりな気がする。昔、20代前半の頃に、映画評とかマンガ評(この映画の中でも、映画のオールナイトに行ったり、「ガロ」を読んでいたり、というシーンが出てくる)とかを書いていて、よく読んでいたのだ。わりと好きだったので、本も何冊か持っている。
しかし、こんなハードな過去があったなんて知らなかった。もっと軽い感じのノリの文章だった気がするんだけど…
時代は70年代初期、学生運動の終末期の出来事だ。実際に、私がその時代を知っているわけではないけれど、60年代後半から、70年代前半というのは、私にとって憧れの時代だ。好きな音楽も映画もこの時代に作られている。まぁ、ヒッピー文化とかフラワー・ムーブメントとか、今ではギャグのネタにされちゃうくらいだけど、私は好きなんだな。今でも、Make Love Not War っていうスローガンは有効だと思うんだけど(今こそ?)
だから、ノスタルジックな気分で、飽きずに見られた。ノスタルジックと言っても「三丁目の夕日」みたいな、まぁほんわかした万人受けするノスタルジックの映像・ストーリーではないけれど。あれは、ちょっと無垢すぎるからね。
若松孝二の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』が、事実を描こうとしていたのとは違って、この映画は、個人を描こうとしている。左翼運動は題材であって、主人公、沢田という個人の青春の1ページ、というとクサすぎるので、 back page を描いた映画だ。苦いけれど、その経験のせいでいまがある、って思えるような back pageを。
直接映画の内容とは関係ないけれど、この映画の中で、誰もがみんなタバコを吸っている。いつも紫煙がまっているって言ってもいいくらい、そういう映像の効果を狙っているのかはわからないけど。もしかして、タバコの煙がこの映画の隠れ主人公なのかしらん? 忘れそうになるけど、確かにそういう時代だった。
今は喫煙ってものすごい「悪」になっちゃってる。だけど、自分は単にノスタルジックな気分で、やめられないんだなぁ。金銭的にはキツイけど。
この30周年記念コンサートでは、この曲はバーズ・バージョンで、豪華な人たちが交代で歌って最高。ロジャー・マッギン、トム・ペティ、ニール・ヤング、エリック・クラプトン、ジョージ・ハリスン。「例の」シニード・オコナーが当初歌うはずだった “I believe in you” が入ってるみたい、このCDには。SPONSORED LINK
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