プチ・シニアの明るいひきこもり生活

「リスボンに誘われて」を見て、リスボンに誘われてしまった。

      2016/10/23

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「リスボンに誘われて」という邦題は内容からするとちょっと違うかな、って思うけれど、前半リスボンの街並みが映ったのを見たら、思わず「行きてぇー」って思った。

だから、これはこれで正解なのかな。ちなみに、原題は”Night Train to Lisbon” 、直訳すれば「リスボン行き夜行列車」・・・、確かに直訳じゃつまらんね。私だったら、「過去に向かう夜行列車」かな・・・・・、まぁ、これも今ひとつか。

例によって何も知らずに見始めたんだけど、最初の15分はガーと引き込まれた。「あれ、これってすげーいい映画じゃないの?」

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平凡な(彼の妻曰く)高校教師が、自殺しようとした謎の少女の持っていた本を片手にリスボン行きの列車に飛び乗ってしまう。そして、その本には彼を惹きつける文章が、彼の心を代弁するかのような文章が書かれている。そして、そこから、その本の作者のことを知ろうとする、つまり過去めぐる旅に出るわけ。

で、映画でもその本の引用が、特に前半になされているわけだけど、これが素晴らしい。

私は素晴らしいと思った。私も主人公と同じように惹きつけられた。

例えば、

We leave something of ourselves behind when we leave a place, we stay there, even though we go away. And there are things in us that we can find again only by going back there.
「私たちはある場所を去る際には自分の中の何かを残して行く。たとえその場所を去っても、私たちはその場にと止まっていると言ってもいい。そして、その場所に戻ることでしか見つけることのできないものが確かにあるのだ。」


とか、

We travel to our souls when we go to a place that we have covered a stretch of our life no matter how brief it may have been. But by travelling to ourselves, we must confront our own loneliness.
「ある場所へ旅するということは、それがどんなに短いものであっても、人生にわたって影響を及ぼすような私たち自身の魂へと旅するということなのだ。しかし、その魂への旅によって、私たちは自己の孤独と向き合わなければならないのだ。」


とかね。

私がやられたのは、これのへん。

And isn’t it so that everything we do is done out of fear of loneliness? Isn’t that why we renounce all the things we will regret at the end of our life?
「それなら、私たちのするすべてのことは孤独への恐怖ゆえとは言えないだろうか?それゆえに、人生の終わりに後悔しような事全てを否定するのではないか?」


If this is the case, the fear of death might be described as the fear of not being able to
become whom one planned to be.
「もしそうであるなら、死への恐怖は思い描いた自分になれなかったことへの恐怖と言えるかもしれない。


If the certainty befalls us that it will never be achieved this wholeness, we suddenly don’t know
how to live the time that can no longer be part of the whole life.
 「もし、そんな自己の理想をなしとげれられないという確信に囚われたしまった時に、私たちは突然人生の残りの時間をどう過ごせば良いのかわからなくなって途方にくれることになる。」


と、まぁ、私は前半かなり引き込まれたのだけれど、残念ながら途中からだんだん「いまひとつ」感がじわじわと増えていった。

そういえば、この本の作者 Amadeu の姉役が、シャーロット・ランプリング!!!!!。年取ったとはいえ、私の中では「愛の嵐 Night Porter」を見てから「永久欠番」的に好きな女優なので、余計期待しちゃったのかなぁ。結論から言えば、彼女である必要性は感じなかった。

で、見終わってから思うのだけれど、たぶん、この映画の肝は、「過去」にあるはずなんだけど、そ回想シーンがあんまり面白くないんだなぁ。ポルトガル独裁制時代のレジスタンスっていう非常に魅力的な道具立なのに、あまり面白くない。私なんか、基本的に、大好きなんですけどね、こういう体制に反抗するやつって。それでも、あまり面白くなかった。(タランティーノの「イングロリアス・バスターズ」に出てた俳優が二人出てます。)

逆に、「現在」の方、冴えない高校教師のでてくるところの方が私は好きだったな。目医者の女性もいいし、その叔父も回想シーンより現在の方がいい。

というわけで、最後にもう一つだけ引用。

The decisive moment of life when its direction changes forever are not always marked by loud and shrill dramatics. In truth, the dramatic moments of a life-determining experience are often unbelievable low-key.
「その後の人生を変えてしまうような決定的な瞬間は、必ずしも派手なドラマティックなこととは限らない。実際は、人生の決定づける経験というのはしばしば信じられないくらい地味なものである。」


そうかもしれない。

(引用の和訳が間違ってたらゴメンなさい)


https://www.youtube.com/watch?v=cd1mzrKQdyI


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 - 遅れてきた映画鑑賞

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