プチ・シニアの明るいひきこもり生活

ケネディ暗殺ものの中では出色、「パークランド」・・でも「真相」は描かれてないよ

   

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最近見た中では一番面白い映画だった。そして、ケネディ暗殺ものの中でも一番面白いんじゃないかなと思う。

なぜ、面白いのか。それは、それは、これまでケネディ暗殺を扱った映画が全て、その「真相」に焦点を当てていたのに対して、この「パークランド」はケネディ暗殺から4日間の「真実」、それも、「別にそんなことどうでもいいんじゃないか』って言われそうな事実の方に焦点を当てている。

そして、その「事実」の数々がみんなすごく面白い。少なくても私は面白いと思った。

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まず、タイトルの「パークランド」、これは暗殺されたケネディが運び込まれた病院の名前。その時の当直が若い研修医 ( resident )というのも驚きだし、そして、暗殺者とされたオズワルドが撃たれた後に運び込まれたのこの病院というのも驚き。ケネディの死を悲しむ人たちが集っているところに、暗殺者とされる人物が運び込まれてくるんだから・・。

また、死体を運び出すところでも、ダラス警察が管轄 (jurisdiction)を主張し、いち早くワシントンに持ち帰りたいシークレット・サービス(FBIだったかな?)と争ったりする。

私が一番気に入ったのは、このエピソード。二人のシークレット・サービス(またはFBI)の会話。

“Where are we putting the coffin?”
“I don’t know. I never thought about it.”
“We’re not flying it below like a piece of luggage.”
「柩はどこに置くんだ?」
「わからんよ。考えたこともなかったよ。」
「まさか、荷物室に入れてっていうわけにはいかないだろ。」

そう、エアフォース・ワンに柩を載せる時の会話だ。客室には、棺を乗せるスペースはなかったのだ。彼らは、大慌てで座席の幾つかを取り外し、スペースを作のだ。

そして、オズワルドの兄、そして、も時間をかけて描かれている。兄はかわいそうだし、母はあまりに強力なキャラなので腰が抜ける。詳しくは映画を見てもらうしかない。

他愛はないんだけど、あの大事件の陰でこのような会話や行動があった、そして、それを集めて映画にしてしまった、というのがこの映画の最大の魅力だと思う。コンセプトの勝利。誰もが「真相」を求めているのに、そうじゃない部分でケネディ暗殺を描こうとしている。

大きな事件のそばに居合わせた普通の人が右往左往する様が、人間や人生の真相といったものを教えていると言ったら、言い過ぎか・・。

ところで、邦題は正確には「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」。ちゃんと「真相」じゃなくて「真実」ってなっているけど、なんとなく「真相」を匂わせている感じを受けるのは私だけかな。ちょっと映画のコンセプトを裏切っているような気が私はする。シンプルに「パークランド」でよかったんじゃないかな。


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 - 遅れてきた映画鑑賞

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