ポール死亡説っていうか、替え玉説っていうか、今更・・・、っていうドキュメンタリー
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CSのミュージック・エアで「ポール・マッカートニー:都市伝説の真実」という番組を見た。前から何度かやっているのは知っていたけど、あまりに馬鹿馬鹿しいので見なかったのだけれど、ちょっと見たら面白かった。と言っても、最終的に馬鹿馬鹿しいことにはわかりないんだけど。
これは、有名なポール・マッカートニー死亡説が「事実」で、実はその後のポールは替え玉だというとんでもない説を、いろいろなことにこじつけて、文字どおり、無理やりこじつけて、いかにも真実であるかのようにで仕立て上げたドキュメンタリーだ(?)番組なわけ。
さっき、面白いって書いたのは、このこじつけがあまりに強引で笑えるからだ。
ポール死亡説といえば、あまりゴシップ的なことには興味がないビートルズ・ファンの私でもさすがに知っている。アルバム「アビー・ロード」でポールだけが裸足なのは死んでいるからだとか、止まっているフォルクス・ワーゲンのナンバーが”IF28” で「生きていれば28歳」の意味しているとか・・・(もちろん、この番組の中でも触れられている)。
でも、まぁ、ねぇ・・・。
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このドキュメンタリーをそれっぽくしているのは、「語り」がジョージ・ハリスンだからだ(なお、原題は George Harrison’s Last Statement 直訳すれば、ジョージ・ハリスン最後の証言。確かに、ジョージっぽい声だし、語り方なんだけど・・・。すごいジョージのファンなら、「違うよ」って言えるかもしれないけど、私にはそれっぽく聞こえる。
ここで語られている「真実」とやらをまとめると、
・MI6(!)が協力してポールの替え玉(整形するんだよ)を用意。名前は”Faul”(フォウル)
・ジョージやジョンは、公表しよと思ったけれど、MI6のマックスウェル(!)に脅されてできなかった。
・なので、ジョンはアルバム・ジャケットや歌詞にヒントをちりばめた。
・発表しようとしたジョンは殺されてしまった。
・ジョージも刺された。
ジョンがちりばめたヒントというの、このドキュメンタリーのキモで、これでもかっていうくらいあって、まぁ、そこが無理やりなこじつけで笑えるわけ。
例えば、逆回転もの。
Revolution No.9 を逆回転させると、” I buried Paul”「私がポールを埋葬した」とか、”Let It Be” は “Help Me”とかいうのが、いくつも紹介される。まぁ、そう聞こえなくもないけど。
アルバム・ジャケットとか歌詞とかは、これでもかっていうくらい紹介してる、っていうか、証拠として提出してる。やはり、私にはこじつけにしか思えないけど。
で、私が笑ったのは。
実はポールは交通事故で死んでしまったというわけだけれど、事故の直前にナンパした女の子の名前が「リタ」で、その後、整形し名前を変える(これは、後でひどいオチがある)。
ポールの死体を見たマックスウェルが「セイウチみたいだ」ってつぶやく。
リンダは、ずっと写真撮っていたらからポールが替え玉だとわかっていて、秘密をばらさない「口止料」として結婚とシンガーとして使うことを要求した(ひどいなぁ)。
とかね。
実は、このドキュメンタリー、とんでもないミスを犯している。
「レット・イット・ビー」が「アビーロード」の後に録音されたってことになっているのだ。これ、ビートルズ・ファンなら発売順と違うってことは常識、っていうか、ジョージが間違えるはずがないでしょ!
で、私は思ったんだけど、これは、このドキュメンタリーはジョークですよ、ファンならわかるでしょっていう製作者からのメッセージなのかなって。
そんなわけで、機会があったら見てみるといいかもしれないです。そこそこビートルズに関する知識がないと難しいけれど、あれば、「なんだそれは」とかチャチャを入れながら楽しめます、たぶん。
逆に言うと、あまり知らない人が、いかにも真面目なドキュメンタリー風なので、「え、そうなのか」って信じたりして、後で恥をかきそうなことにでもなったらかわいそうだなぁ。
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Comment
コメントはこちらが承認するまで表示されません。語る内容のちぐはぐな事もそうだが、ジョージの音声がマイクロカセットに吹き込んであると最初に説明していながら、その音声がレコーダー付属マイクで録ったにしてはあまりにもクリアで(多分AKGの高級コンデンサーマイクぐらいは使っているだろう)テープ特有のノイズもワウフラッターも無いというのがちょっとねぇ…
コメント、ありがとうございます。
確かにそうですね、マイクロカセットで、病院かなんかで録ったみたいな設定でしたもんね。
ただ、そういうことも含めて、ギャグとしてありかなぁ、と思いました。つい最後まで見て笑いましたもん。案外、こういう手法もあるかなと思ったりしました。ビートルズとかの場合、もう出切ってるっていう感じもありますからね。
ところで、AKGとかすらっと出てくるってことは、音楽やっている人ですね。ワウフラッターなんて言葉も今は死語なので(ですよね)、そこそこ年齢の行ってる方と推測致しました。
この話は日本ではあくまでガセネタとか都市伝説(嘘)として
広まっていますが、ニュートラルなスタンスでポールの歌声を
検証してみると、確かに1966年以前と1967年以降では
微妙に違っています。これはアルバムよりもLIVE動画での歌声だとより顕著に判ります。はっきり言って1966年以前のステージでのポールはすごく巧い。圧倒的な歌唱力です。
声質も微妙に違っていています。これは何を意味すると思いますか? 1966年以前より1977年のほうが歌が下手になってるって、変じゃないですか?
ガセネタだって事で片付けるのは簡単だけど、
自分の耳でとことん真実を追究する姿勢が日本人には欠けてると思う。
コメントありがとうございます。
大変興味深いご意見ですね。私などは(私のレベルでは)、常に「ポールは歌うまい」って思っていたので驚きました。まぁ、このドキュメンタリーはあまりにアレなので、「死亡説」自体は信じられませんけど。
ちなみに、ジョンもだんだん歌が下手になってるって誰かが言ってた気がしますけど・・・。私はあんまり気にならないんですけど(^_^;)
もし、他にもこういう興味深いご意見をお持ちでした、ぜひ教えてください。
このドキュメンタリー映画は確かに内容が酷いだと私も思います。ただ、「この映画の内容が酷い」=「死亡説は嘘」ということにはならない。「ロシアの声」とかいうジョークサイトにも死亡説は載りました。こちらも怪しい内容です。
でも、偽札があるからといってほとんどのお札が偽物とは限らないし、イミテーションがあるのは本物の宝石があるからです。つまりガセネタが横行していることと死亡説が事実かどうかは別の話なのです。
結論から言うと、私も「死亡説はたちの悪いジョークだろうと推測しつつ」も、「それでも事実かどうかは自分の耳で確認すべき」と考え、自分の耳を信じて何曲ものポールの歌を
何回も何回も、聴き比べたのです。その結果、「おそらく
1966年までのポールと1967年以降のポールは別人だろう」という結論に至りました。この結論には自分でもショックでした。でも別人だと思われます。
「ペニーレイン」や「ヘイジュード」と初期のポールの歌声を聴き比べただけでも声の違いや歌唱力の違いが判ります。
入れ替わりなんてありえない、という先入観を持って聴いたり、「ぼー」っと聴き流していたら気づかないかもしれませんが、全ての思い込みを排除して真剣に耳を傾けたなら気づけるレベル(声の違い)です。
youtubeのLIVE動画がこの判別にとても有効でした。
1966年以前のステージでのポールの歌声はすばらしいです。めちゃくちゃ巧いです。「カンザスシティ〜ヘイヘイヘイ」とか、鳥肌ものです。ベースも巧い。
ウィングス時代以降のポールの歌とは歌唱力も声も違います。
この頃のステージでのビートルズ時代の曲を歌ったものも
有るので、聴き比べるにはもってこいです。
時間があったらご自分の耳でじっくり聴き比べみてください。私は聴き比べをしてなかったら「別人に入れ替わっている」なんて信じなかったと思います。
私にはポールが死亡しているかどうかは判りません。
ただ、1967年以降のポールはそれ以前のポールではない、別人だと思われます。
詳細な補足をありがとうございます。
そうですか・・。私の耳では聴き比べても、違いがわかるかどうか自信がありませんが、今度トライしてみようかと思います。
私の友人もやはり半信半疑のようですが、機材や録音テクニックなど(コンソールやADTやヴァリ・ピッチ)のせいで声は変わるからなぁ、という反応でした。歌唱力については、やはり特に下手になっているようには思わないようですけど・・。
このブログが人がいっぱい訪れるところなら、いろんな意見が出て、議論も深まるかもしれないと思うんですけど、残念です(^_^;)
いずれにしろ、繰り返しになりますが、興味深いコメントありがとうございました。
これは恥ずかしい奴だな笑
替え玉な訳ないだろ( *´艸`)
1966年までは過密スケジュールの中ライブ活動もしてて喉を酷使してましたが、それ以降はライブは全くせずレコーディングでしか歌ってない訳で、つまり歌う機会が減れば声も変わるし下手にもなる。
実は本人もそれを分かってて、「オーダーリン」のレコーディングのためにライブ時代の声にしたくて散々歌いまくってから本番に臨んだという事実があります。67年以降の曲でこれだけ明らかに声質と歌唱力が圧巻なのは誰の耳にも明らかですよね。
ポールのお葬式には、ご両親も参列、この番組はここで終わってますね。ポールのお母さんは、彼が10代の時に亡くなっています。
最初にこの件を隠し通すことに疲れてしまったのは、エプスタインっていうオチはなかったようですね。
映画のLet It Beでジョージのギターにポールが注文をつけて、ジョージが出て行ってしまうシーンがありました。ジョージはビートルズを辞めるようなことも言っている。偽者ならこうならないでしょう。仮になったしても、ジョンが黙っているはずはありません。「あいつは偽者なんだ、あんなやつに引っ掻き回されてもう、うんざりだ。」