私は犬で仕事を辞めました
2015/08/25
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定年まで数年を残して仕事を辞めた時、いろいろな人から理由を聞かれた。実際、大きな決断は「はい、これ」って一言で言えるような簡単なものじゃなくて、いろんな要素が複雑に絡んでいたりする、あたり前だけど。だから、
「愛犬ともっと一緒にいる時間を増やそうと思って」
って、答えた。
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ほとんどの人は信じなかったけど、当然答えたくないこともあるし、そもそもこっちがまともに答えたくないような相手だっている。だから、これはなかなかいい返答だったと思う。決して嘘を言ってるわけでもないし。
そう、嘘じゃない。辞めた理由の3割くらいに当たる。うちの犬は、私が働いている時は、休みを除けば、1日だいたい10時間位は留守番していた。これは長い。だから、私が帰ると、鍵を開ける「カチャ』って音が聞こえた瞬間から大騒ぎで「出してくれ~」攻撃をした。しつけの本によると、こういう時も興奮させないように!、興奮がおさまるまで出さないように、とか必ず書いてある。でも、こっちにも「可哀想」っていう気持ちが充満しているので、ついすぐ出してしまうのだ。
さらに、うちに来なければ、もっと時間をかけて可愛がってもらえたのかもしれない、なんて思うと、ちょっと複雑な気持ちになった。
大好きな映画に「パリ、テキサス」っていう映画がある。「ベルリン 天使の詩」が有名なヴィム・ヴェンダース監督の映画。この「パリ、テキサス」は私の中ではオールタイム・ベスト5に入るくらいすきな映画なんだけど、主人公が若い奥さんと離れている時間が辛くて、仕事をやめてしまうという話が出てくる。ネタバレになるからそれ以上書かないけれど、自分も同じように仕事をやめてしまった、っていうのは大げさだな、やっぱり。
散歩やら、下の世話やらで、それまで費やしていた自分の時間がもとんど持てなくなってしまったのは、ちょっとつらかった。
まぁ、でも、それだけでは仕事をやめない。他にもいろいろあるわけだけど、聞かれたら「私は犬で仕事を辞めました」って答えることにしているのだ。
「パリ、テキサス」のナターシャ・キンスキーは、ため息が出るほど美しい。「ホテル・ニューハンプシャー」の彼女も好きだけど。以前買ったDVDには、映画の中で少しだけ映るホーム・ビデオがロング・バージョンで入っていて、なんかリアルなホーム・ビデオみたいで涙なしには見られなかった。ロード・ムービーの傑作。
「ベルリン・天使の詩」も傑作。「刑事コロンボ」のピーター・フォークが、本人役で出てくる。 それだけで価値がある。もちろん、すごくいい映画だけど。
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Comment
コメントはこちらが承認するまで表示されません。とても、ナイスな答えだと思いますよ。私も、あれこれ聞かれても、人によっては、答えたく無いです。わんちゃんも、幸せですね。
コメントありがとうございます。
やはり、早期退職者の方でしょうか?
正直言って、今となっては何が理由だったかなんて、どうでもよくなっちゃいましたけどね。