プチ・シニアの明るいひきこもり生活

「旅情」を見た

      2016/01/31

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 最初に見たのはたぶん中学生だろう。当時は、地方に住んでいると映画館で2本立ての映画を月に一度見られるくらいで、あとはテレビで見るくらいしか機会がなかった。だから、「なんとか洋画劇場」とか、ほとんど毎週見ていたんじゃないだろうか。特に「名画」とか言われると見ないわけには行かなかった。どんな渋くてもね。主演のキャサリーン・ヘプバーンは、名前も知らなかったけど、アカデミー主演女優賞を3回もとっているとか、たぶん、そんな前説があったんだと思う。

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 今では、ネットでもテレビ(BSとかCSとか)でも、嫌というほどいうほど見る機会がある、しかももっと刺激的で、派手ななやつを。だから、たぶん自分が今中学生なら見ないんじゃないかな、基本的に中年の大人の恋愛映画だからね。

 実は、当時からこの映画、割と好きで、特にラストシーンはすごく印象に残っている。私が電車とか駅とか好きなのは、この映画が一役買っているのかな、って思ったりした。

 今回、久しぶりに、もしかしたら、初めて見て以来、見なおしてみたわけだけど。これ、いい映画だなぁ。最初、ギターの練習しながら、いい加減に見ていたんだけど、途中からただギターを抱えたままで、見入ってしまった。

 まず、ヴェニスの風景がとてもいい。綺麗っていういみじゃなくて、いい。もちろん、綺麗だけど、まだ素朴さあふれた普通の町並みがいっぱい映っている。50年台の映画だから、もうかなり変わっているだろうけど、案外ヨーロッパの町並みは古いまま残っていたりするので、ちょっと行たいなって思った(以前、イギリス人の友人が家に来た時「日本はなんでみんな家が新しいの?」って聞かれたなぁ)。

 映画的にも、素敵なシーンがたくさんあった。

 落としてしまったくちなしの花を拾おうとするシーン、川面に浮かぶ花と川面に映るそれ二人の姿とか、美容院へと急ぐ主人公を高いところから俯瞰的に写したシーンとか。舗道をふたりで歩いてきて、Ristorante Dancing っていう文字の上で踊り始める足元だけ写すしシーンとか、情事の翌朝、誰もいない広場で抱きあう二人、とか。ほんとに、今見てもいい。これって、1955年の映画って忘れちゃう。
 もちろん、ヴェニスっていうロケーションもそういう素敵なシーンに貢献している。

 ラストで、アメリカに帰ることを切り出すシーンのセリフ、

You know, all my life I’ve stayed the parties too long because I didn’t know when to go.
Now with you I’ve grown up, I think I do know when to.
パーティに出ても、潮時がわからなくていつも長居しすぎたの
でも、あなたといて私は成長したわ、今はわかるの、いつ去るべきなのか

 すばらしい。個人的に自分から去る、身を引くってすごく好きなので、このセリフは泣ける。

そして、汽車で去っていくシーン。

 川ではもうちょっとで拾い上げられなかったくちなしの花は、このラストでももうちょっとのところで彼女には届かない。でも、いいんだ、と彼女の表情は言っている。

 そして、最後の最後、振っていた手を下ろして、髪をかきあげる時の彼女の表情はすごくいい。すごくいい表情だ。

 若い頃は、つっぱっているから、なかなかこういう映画が好きって言えなかったけど、今素直にいいじゃんって言えるのって、私が成長したってことなのかしらん・・・。

(引用が間違っていたらごめんなさい)

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