ロックする船が世間を揺るがしたんだよ「パイレーツ・ロック」
2016/01/31
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前から見たいと思っていたのに見逃していた映画。正解。素晴らしい。これぞロックンロール映画。
なんか私はついロックをシリアスに捉えるところがあって、馬鹿っぽいとか、安っぽいとか、批判的に見ちゃったりするところがあるんだけど、反省。
いいんです、楽しければ。映画としてどうとか、関係ない。面白ければいいじゃん、そんな感じ。まさに、「たかがロックンロール、でも好きなんだよ ( “It’s only rock’n roll but I like it” ) 。
ゴタゴタ言わずにいいところを箇条書しよう。
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☆音楽がいい
私の苦手なタイプの曲もかかったけど、みんないい。すべていい。特に決めのシーンでの選曲は抜群だ。レナード・コーエンの”
So long Mrianne
”も、ストーンズの”
Let’s spend the night together
” も、プロコル・ハルムの”
A Whiter Shade of Pale
”も。
☆ラジオがいい
ラジオを聞かなくなって久しいけれど、ラジオは良かった。この映画を見るとわかるけれど、リスナーが「繋がって」いた。今の”SNS”とかくそくらえ!、あの頃のリスナーの方がよっぽどリアルに繋がっていた。「そうは思わないかい?」
☆反体制がいい
あの頃はみんなが体制に”NO”って言ってた。難しいことが分かんなくても、とりあえず”NO” って言っていた。なんか権威は気に入らないんだよ、言っていた。笑うやつもいたけれど、そんな奴にはこう言い返した、「大人ぶってんじゃねょ、お前にはロックンロールがわかんないんだろう」って。そうだ、”
Make Love Not War
” って、マジでみんな言っていた。今だったら、笑われるんじゃないか…。たかが海賊ラジオが政府に反抗していた。そこが美しい。
☆セックスがいい
あの頃は、年収がどうとか、安定した仕事がどうとか、そんなことは気にせずセックスをした。フリー・セックスとは、そういうつまらない価値観への犯行だった。決して愛なくセックスするわけじゃなかった、例え刹那的であっても。そんなセックスが描かれている。
☆誰も死ななくていい
最近は映画で人が死にすぎる。この映画では誰も死なない。私の好きなフィリップ・シーモア・ホフマン扮するDJが死にそうになるけど、死なない。このシーンは、明らかにあの「タイタニック」の楽団のシーンを引用しているだろう。あのシーンは「タイタニック」の中で見るべき最高(唯一?)のエピソードだった。音楽の、クラッシクであれ、ロックンロールであれ、「パワー」を見せつけるシーンだった。
どうだい、いい映画じゃないか。
はっきり言おう、これからも10年おきくらいでいいから、こういう映画が作られて欲しいと思う。そして、その度に思いたいのだ、「やっぱ、ロックンロールは最高だぜ」って。60才、70才になってもね、死んでるかもしれないけど。
さて、最後に。上に書かなかったが、この映画の本当に最高な部分は何だと思う?
それは、各曲の時に挿入されるリスナーの映像だ。いろいろなシチュエーションで、いろいろな反応をしながら、ラジオからかかる曲を聞いている様々な人達の映像だ。それが素敵だ。
原題は”
The Boat That Rocked
”だ、「ロックしたボート」。”rock” には、「かっこいい」って意味もある。「揺れる、揺るがす」って言う意味もある。このブログも、”The Blog That Rocks” にすれば良かったかな。
って、今回はロックンロールな書き方をしてみました。
注:残念ながら、60年代は小学生だったので、完全後追い体験です。昔、イギリス人の知り合いに「あんたは10年生まれるのが遅かった」って言われたことがある。確かに。上に書いた60年代のイメージが牧歌的なのはそのためだ。悪しからず。
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コメントはこちらが承認するまで表示されません。[…] 先日「パイレーツ・ロック」を見た時にチラッとかかって、改めていい曲だと思ってCMにも仕えると思った。さすがに”Hallelujah” は有名すぎるし(もう、使われた?)。これ以外にも”Suzanne” もCM向き。 […]