その時間の濃密さに見たあとどっと疲れる「The Fall 警視ステラ・ギブソン」
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以前、再放送して欲しいドラマ(こちら)でチラッと書いた「The Fall 警視ステラ・ギブソン」。今、シーズン2が放送されている。
やはり、これはよい。
やはり、暗い。圧倒的に暗い。その暗さは圧倒的な濃密さで「情念」を描こうとしているからだと思う。
主人公ステラの情念、犯人ピーターの情念。まるで、情念の一騎打ち。
普段ハリウッド系のドラマを見慣れていると、あまりの進行の遅さに行きが詰まりそうになる。これこそ制作陣の目指したものに違いない。その遅さのせいで情念は、ゆっくりゆっくり熟成していく。私達みるものの心にも澱を積み重ねてゆく。
だから、暗い。
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ステラ・ギブソンは、現場で見かけた若い刑事に初対面でいきなりホテルの部屋番号を告げ、訪れるよう促す。検死官の女性とはレズビアンの関係を持とうとする。上司とも不倫の経験がある。彼女の、低い感情を伴わない声の奥にはこんな彼女情念が渦巻いている。
犯人ピーターがステラの部屋に残したメモにこうある。
Sweet little Stella. missing her Daddy, lost and alone. Sexy stella, expressing her deepest, darkest desires. Stroppy Stella, angry and misunderstood lashing out against the mold of men.
甘く、可愛いステラ、亡き父を思い、喪失感と孤独にふるえている。セクシーなステラ、あまりに暗く、奥あまりに深い欲望をのぞかせる。機嫌の悪いステラ、怒り、男社会に悪態をつく。
そして、犯人も子供の頃牧師に性的虐待をうけ、屈折した道を歩んでおとなになった。
その2人の情念の一騎打ち。
毎回見終わるとどっと疲れがでる、それほど濃密なドラマだ。
ところで、”Homeland” でもティーン・エージャーが重要な役割を演じていたけれど(別記事)、ここでも、やはりティーン・エージャーの女の子が小悪魔的な役割で物語をふくらませている。普段目にする脳天気なティーンエージャーとは全く違うの、なんかちょっと怖いなぁ。
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