プチ・シニアの明るいひきこもり生活

泉谷しげると仲井戸麗市が300円で見られたんだぞ! 唄の市

      2015/08/25

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 自分の町に、「唄の市」が来るって聞いて、中学生になったばかりの少ない小遣いでも行けると狂喜した。「唄の市」っていうのは、エレックレコードの一団のライブなんだけど、泉谷しげる、古井戸、その他の今ではあまり名前を聞かれない人たちが含まれていた。

 市民会館は、半分くらいしか埋まってなかった。泉谷しげるが客が少ないことに腹を立てていた。僕は、それでも、初めてのライブに感動して、翌週隣の町で行われる「唄の市」には友人数人を誘って出かけていった。

 会場は、満員だった。ほんの10数キロしか離れてないのに。一気に自分の町に嫌気がさしてきた。

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 ライブは、最高だった。と言っても、当時の自分は何を見ても、何を聞いてもそう思ったと思うけれど。

 駅で帰りの電車を待っていると、黄色い声がした。「唄の市」一同が、急行で東京に向かうためにやってきたのだ。サインが欲しかったけれど、ペンも紙もないので、僕らはただ周りを取り囲んで、彼らを見ているだけだった。それで満足だった。

 一団の一人は(名前は明かさないが)「向こうへ行け」って吸い殻を放り投げてきた。逆に、泉谷は、とても腰の低い穏やかな人物だった。なるほど、って思った。古井戸の仲井戸麗市も、すごく繊細な青年に見えた。その後、RCサクセションでギターを弾いている彼とはイメージが違った。

 その後、泉谷が一般的にに知られるようになって、「暴れん坊」みたいなイメージで取り上げられるたびに、ちょっと笑いがこぼれた。

 いつかテレビで、「あの頃の俺はアイドルだった」って言ってたけど、それは、本当だと思う。あの頃の田舎の少年にとっては、まさにアイドルだった。そして、今でも、彼の歌は過小評価されてると思う。

(あえて、「僕」という一人称で書いてみた)

唄の市第一集(紙ジャケット仕様)


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 - なつかしの音楽鑑賞

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