プチ・シニアの明るいひきこもり生活

オヤジひとり、ベトナム旅日記(4)

      2015/08/31

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(注:この文章は初めてベトナムに行った2006年の旅の記録です。ベトナムは急速に発展しているので、当時とはかなり大きく違っています。特に、物価等は大幅に変わっていますので、そのあたり考慮の上お読み下さい。)

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 町に戻ると、ホテル近くにある電車のチケット売り場を探す。駅まで行かなくてすむので助かる。場所はすぐにわかったが、明日発つか、明後日発つかを決めていなかったことに気づく。どうしようか。前の人の発券を待つ間考えてみたが、結論は出ない。私の番が来た。

「ダ・ナンまで行きたいんだけど」というと、用意してある紙を示した。1日に3本あるらしい。「朝8:00発」を指差し、これが一番いい電車だという。しかし、着くのが夜中だ。当初の予定通り、夜行にしよう。

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「明日の、19:00発で、寝台車を。」

 明日だ。明日の夜だ。決まった。「ソフト・ベッド」の「下」を頼み、発券してもらう。55万8千ドン。4000円くらいか。ベトナムの物価からすると割高な感じがするが・・・。以前は、外国人料金というのがあって、かなり割高な設定だったらしい。

 さすがに電車賃を払い、明日のホテル代を考えると、ほとんど手持ちがなくなってしまうので、両替屋を探すことにした。なかなか見つからない。バンコクのようにどこにでもあるわけではないらしい。ファングラーオの端の方まで行って見つからないので、あきらめて「ドラフト・ビール12000ドン」と大きな垂れ幕のあるレストラン・バーに入る。入るといっても、店の外のテーブルだが。

 ドラフトを頼む。冷えていておいしい。さすがに午後3時には客は私一人だ。従業員は男2人、女一人。英語をしゃべれるのは女の子だけだ。話しかけると、暇だからか女の子は私の前に座って気さくに話をする。英語も上手だ。従業員の一人がすごい「イケメン」だと彼女に言うと、通訳してその彼に伝え3人で笑った。いい雰囲気で、ビールも進む。

 「もし聞いてよければ」そう、前置きして、彼女のバイト代を聞いてみた。バイト代は1時間3000ドンらしい。日本円で25円程度だ。1日10時間働いて250円。驚いて、日本では、高校生でも1日5ドル(600円)だというと、彼女は頷くだけだった。とっさに言ってしまったが、彼女にとっては知ったところで、どうしようもない情報だ、かわいそうなことを言ってしまったかもしれない。

 いろいろなことを彼女は話した。
「バイクを持っている人はバイクを持っている人と友達で、自転車を持っている人は自転車を持っている人とだけ友達で、歩く人は歩く人とだけ友達になる。決して交わらない。私はバイクは持っていない。アオザイは学生の時には着るけど、それ以外は結婚式とか特別なときだけで普段は着ないわ、英語を習いに行ってるの。日本にも英語の学校はあるの?いくら払うの?」

 時たま通り過ぎる外国人に呼び込みの声を掛けながら、彼女はよく話した。かわいい子なので、写真をとっていいか聞くと、私はブスだから嫌だ、と断られる。かわいいと褒めたけれど、自分はそう思っていないようだ。

 突然、あたりが騒然とした。空気が緊張した。

 彼女や他の二人が、店の前のテーブルを店の中に入れ始めたのだ。何がなんだかわからなかったが、青いシャツを着た男たちが数人声を荒げて、店の男の従業員に詰め寄る。彼女が小さい声で「ポリス」と私に囁いた。この店の従業員と他の店の従業員が青いシャツの男たちに車のところに連れて行かれた。何か書類にサインしている。彼女が横で「マネー」と小声でまた囁く。

 結局、ポリスは何事もなかったように去って行った。店のテーブルも元のように戻された。が、彼女を含め3人の顔から笑顔は消えてしまった。「お金が欲しくなるとああやってやってくるのよ」、彼女は怒って言う。「しかも、」彼女は本当に怒っていた。「罰金の3ドルは私たちが折半して払わなきゃいけないのよ、マネージャーは絶対払ってくれないの。」私は頷くしかない。彼女の5時間分のバイト料がポリスの気まぐれできえていったというわけだ。

 私はそろそろ店を出ることにした。ビール三杯の代金に、彼女のバイト代数時間分のチップを足した分をテーブルに置き、席を立った。そのまま立ち去る私に彼女が大きい声で「サンキュウ」と叫んだ。彼女の顔には、笑顔が戻っていた。が、私は何か複雑な気持ちだった。

 ホテルに戻って、レイト・チェックアウトの値段を聞く。白いアオザイを着た女性が、宿泊の半分と答えるのでお願いする。両替もできるという。レートを聞くと空港よりはよいので、1万円換える。このホテルは日本人がよくとまるので、他よりよいレートで替えていると言う。まぁ、空港よりよいことだけは伝える。きれいな女性なので、少し無駄話をする。彼女も愛想よく話にのってくれる。やはりアオザイはいい。女性をきれいに見せる。街中でほとんど見られないのが本当に残念だ。

 その後夕飯を食べホテルに戻った時に、ふと思いついて「クチ・トンネル」の半日ツアーに参加することを思いつく。マレーシアで知り合ったイギリス人のスティーブンから薦められたことを思い出したのだ。値段は4ドル。8時から2時までだから安いといえば安い。電車にもゆうゆう間に合う。申し込むことにした。

 次記事 オヤジひとり、ベトナム旅日記(5)



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