プチ・シニアの明るいひきこもり生活

オヤジひとり、ベトナム旅日記(9)

      2015/08/31

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(注:この文章は初めてベトナムに行った2006年の旅の記録です。ベトナムは急速に発展しているので、当時とはかなり大きく違っています。特に、物価等は大幅に変わっていますので、そのあたり考慮の上お読み下さい。)

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 起きると雨が降っていた。たいした雨ではない。帽子があれば、大丈夫そうだ。
実は私は雨が嫌いではない。日本でなら、あまりに晴れ渡った天気より、雨の方が好きなくらいだ。ただ、旅行に出ているときはちょっと残念な気もする。

 川沿いから一本入った通りを歩いていると、ソファーが気持ちよさそうなレストランがあった。ゆったり飲めそうだ。そのソファーの席に座り、とりあえずビールを頼む。ウエイトレスの女の子は、隣の席で何かの勉強をしている。客は私ひとりだ。暇を見て勉強しているのだろう。英語だろうか。通りを行き交う人を見ながら、ビールを飲む。さっきのウエイトレスが英語で聞いてきた。
「日本人ですか?」
「そうだよ。」
「普通の日本人とどっか違いますね?」
「そう?ひねた日本人だからね。」
「私、日本語勉強しているんです。」
「へぇ、じゃぁ、知っている日本語言ってみて」
ここまでは、英語でやり取りした。英語もかなり上手だ。
「こんにちは、元気ですか、・・・・・・・・・・・・、イケメン、まいうー」
「まいうー」を知っているとは思わなかっので驚いた。

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 じゃぁ、ここからは日本語で話そう、と他愛のない話をした。「日本橋」があるせいか、この町には日本人がたくさん来ること、毎年一回日本人との交流会(お祭り)が開かれること、など、など。実際は明らかに英語のほうが日本語よりも上手だったから、英語で話したほうがもっとコミュニケーションは取れただろうが、ここは彼女の日本語の勉強のために日本語で話を続けた。

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 そうしているうちに、明らかに日本人とわかる老夫婦がやってきた。「こんにちは」と日本語で声を掛けると、「あ、日本の方ですか、じゃぁカメラマンですよね、ちょっとシャッターを押してもらっていいですか?」と旦那さんの方が言った。カメラを持っていたわけでもないので、よくわからないセリフだったが、立ち上がってカメラを受け取った。
「この木を右隅にちょっと入れて、左にはあの建物を入れて撮ってください。」
注文が多い。二枚ほど撮ってあげた。
「おひとりで旅してるんですか?すごいですねぇ。」と奥さんが言う。
「いや、失礼ですけど、年配の方がツアーでなくて、こんなふうに旅行されてる方がすごいと思いますよ。」と答えると、旦那さんはまんざらでもない顔をした。
 ビールのお代わりするついでに、ここの名産らしい「ホワイト・ローズ」も注文した。私もまだ食べていなかった。シュウマイを平たくして感じで、白いバラのようにみえるらしい。ビールのつまみにいいらしい。そんなことを説明し、老夫婦に少し食べてもらった。「結構いけますよ」旦那さんが言った。たしかに、ビールのつまみに合うかもしれない。
 老夫婦は、お礼を言いながら、店を出て行った。

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 「◯◯さん、やさしいですね」と、そのウェイトレスに日本語で言われたときは、少し恥ずかしかった。日本でそんなことはしない気がする、どっちかといえば、冷たい方の人間だと思う。これも、一人旅のせいだろうか。たぶん、気まぐれな風が吹いただけだろうか。

 とにかく、そのウエイトレスの私への好感度はアップしたのは間違いないらしい。店が9時半に終わるから、おいしいコーヒーを飲みに行きませんか、ご馳走しますから、と誘われた。何の予定もないし、ことわる理由もない。日本語の勉強の助けをしてあげることにした。その頃、また来ることを約束して店を出た。彼女の名前はレイと言った。

 次記事 オヤジひとり、ベトナム旅日記(10)


(実は、この翌年もホイアンを訪れたのですが、たった一年でと思うほど雰囲気は変わっていました。そこかしこで工事も行われていて、ここに書いている様は「静寂」は消えていました。それから10年近く経つ今はもっとかわっているんじゃないかな、と思います。)

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