プチ・シニアの明るいひきこもり生活

みんな、世界遺産に行こうよ。私は行かないけど。

      2015/08/31

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(私の好きなタジ・マハール。きっと世界遺産なんだと思う。)

 前回、ゴールデン・ウィークのことを書いた時に書き忘れたことを書いてみる(だから、内容的にちょっと重なっている、申し訳ない)。

 最近、また「世界遺産」のことが盛んにニュースになっている。はっきり言って私は全然興味が無い。ちなみに、アカデミー賞とかグラミー賞とかもほとんど興味が無い(カンヌとかサンダンスとかちょっと気になる)。自分で判断するのを億劫だと思う人が安心して飛びつける「お墨付き」以上の何者でもない、って思っている。

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 歴史的建造物であれ、音楽であれ、映画であれ、自分にとっていいものはいいし、気に入らないものは気に入らないという単純な事実に基づいているだけど、そういうとなんとなくカッコつけている感じになってしまうのはなぜだろう・・・。

 ビートルズだって、勲章もらったから好きなわけじゃない。そう言えば、サザンが紫綬褒章(?)でパフォーマンスして叩かれていたけど、あれも勲章貰ったからって自分の音楽が変った、あるいは、格があがったわけじゃないよ、っていう意思表示だったんじゃないだろうか、まぁ、これは思いつきにすぎないけれど。

 とまぁ、そういう風に考えていて、これまで否定的にしか見ていなかったんだけど、これまた、前回の「ゴールデンウイーク」の記事と同じように、「人は自分と同じように考えるとは限らない」という教訓に照らしあわせて考え直してみた。

 富士山は、世界遺産に指定される前からそこにあったのに、指定された途端に登る人がグンと増える。富岡製糸場みたいに地味な(失礼!)ところにも、記録になるほど人が訪れるらしい。

 正直言って、私はそういう作られた「ブーム(のようなもの)にノセられている人たちがいっぱいいるんだなぁ」と、これまではやはり思っていた。

 いや、違うんだな、これが。多分。

 彼らは、ブームにノセられているんじゃなくて、そういうブームを求めていて自分からブームにノリたい人たちなんだな。「ノセられている」だと、なんとなく騙されている感じだけど、自分からノルのはそうじゃない。私の疑いなんか、余計なお世話なのだ、きっと。

 で、やっぱ、「世界遺産」もゴールデンウイークと同じように「お祭り」なんじゃないかな、って思う。

 そういう場所に行ってみれば、同じようにブームに乗りたい人たち、お祭りに参加したい人たち、つまり「同志」が溢れている。なんとなく「」が感じられるのかもしれない。

 当地で観光に関わる人達が喜ぶのはわかる。経済的に大きな影響があるんだから。(話はずれるけれど、地方自治体が「町興し」で「ぬるキャラ」や「世界遺産」で大騒ぎするのもある意味「ブーム」だと思うな。)

さて、例えば、私はこういう想像をする。

 

「会社員、36才、ゴールデン・ウィークに妻、子供2人とともに白いミニバンで最近世界遺産に指定された◯◯に出かける。渋滞も何とか耐え、やっと目的地についた。駐車場もなかなか見つからない。お、ちょうど1台出て行く、「俺は運がいいぞ」。◯◯の中に入る。「うーん、すばらしい、やっぱ世界遺産に指定されるだけのことがある。」子どもたちにはあまりおもしろくなさそうだけど、いずれ歴史の勉強とかした時に思い出すだろう。「親はなるべくそういう教育の機会は与えてあげないとな」彼は満足げに微笑んだ。さぁ、昼食だ。やはり、近くの食堂、レストランはどこも混んでいる。30分以上は待つことになる。仕方がない。今自分たちは世界遺産という特別な場所に来ているんだ。空いているはずがない。やっと、1軒の食堂に入れた。注文を受けるオバちゃんがとてもいい人だ。「まぁ、そんな遠くからいらしたんですか、渋滞して大変だったでしょう、ボクちゃんたちもパパとママとお出かけで良かったわね。」うむ、いい人だ。食事もなんとなく美味い気がする。子どもたちは残したけれど。値段はやはり観光地価格だ。なんて言ったって、世界遺産だからな。車まで戻ろうとする時に子供が転んでしまった。すると、近くにいた観光客がすぐさま起こして、膝の泥をはらってくれた。「強い子はないちゃダメだぞ」。私は深く頭を下げお礼をいった。さすが、世界遺産だ。訪れている人たちも特別にいい人が多い。帰りもかなりの渋滞に巻き込まれた。仕方がない。子どもたちは寝ている。どんな夢をみているんだろう?今度出かけるのは、夏のボーナスが出てからだな。今度は、どこの世界遺産に行こうかな。」

 すみません、ちょっとフザケちゃいました。でも、たぶん、こういう人たちは確実にいい人なんだと私は思う。大震災の時に海外から日本人は褒められたけれど、こういう人たちの沢山いるからじゃないかと思っているのだ、マジに。もっと言うと、世の中はこういう人たちで成り立っているんだと思う。私みたいにヒネた考え方をしてる人間ばかりじゃダメなんだと思う。

 前回も書いたけど、こういうの、つまり「世界遺産」に浮かれたりするってのもありだと思う。必要なんだと思う。

 最後に、以前某海外で、欧米人に「◯◯ってどうだった?」って聞かれた時に、「自分はつまらないと思ったけど、一応「世界遺産( World Heritage Site )」らしいよ」と答えたら、「何それ?」って返された。日本ほどありがたがられてないのかもって思った。


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